日本ハムがドラフト会議(26日、都内)で近大・佐藤輝明内野手(4年=仁川学院)を1位入札の有力候補としていることが11日、分かった。走攻守の3拍子がそろった身体能力抜群のスター候補で、この日は佐藤が出場した関西学生リーグの立命大戦(ほっともっと神戸)を吉村GMらが直接視察した。最終判断はドラフト直前となる見通しだが、3年後の新球場開業も見据え、競合必至のNO・1野手の1位指名に踏み切る可能性は、十分ありそうだ。

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今ドラフトNO・1野手が、今年の「NO・1選手」となるかもしれない。日本ハムが佐藤を、1位入札の有力候補としていることが分かった。右投げ左打ちのスラッガーで、圧倒的な飛距離も誇る。昨年末に、吉村GMは1位入札候補として「野手もあると思う。大卒三塁手とか」と名前は挙げずとも明かしていたように、かねて高く能力を評価。即戦力の主軸候補として、動向を注視してきた。

この日は吉村GM、遠藤GM補佐、担当の加藤スカウトの3人体制で、佐藤をクロスチェックした。タイブレークの延長10回。三塁走者の佐藤は遊撃へのゴロで本塁へ突入。内野前進守備の中で50メートル6秒0の俊足を飛ばして生還し、サヨナラ勝利に貢献した。加藤スカウトは「あの体にしては動けるよね」とコメント。187センチ、92キロの体格から繰り出す、類いまれなスピードは魅力的だ。

近未来を見据えても、チームに欲しい強打者だ。23年春に北広島市内に開業予定の「エスコンフィールド北海道」は、球団によると球場規格が、ややコンパクトになることが想定されている。札幌ドームと比べて、両翼100メートルは変わらないが左中間や右中間が狭くなるもよう。実現すれば打者有利の本拠地となる。パワー、スピードが売りの佐藤が躍動しやすい、大きな環境変化を控えることも、1位入札選手を決める大きなファクターとなりそうだ。

佐藤の他に1位入札候補としては、早大・早川隆久投手(4年=木更津総合)やトヨタ自動車・栗林良吏投手(24=名城大)らも名前が挙がっているとみられる。即戦力候補が多い投手たちの最終評価も含めて、ドラフト直前まで徹底的に精査することになりそうだが、競合必至の身体能力も高いスター候補の佐藤を最高評価する可能性は十分、ある。