逆転優勝を目指すロッテが、井口資仁監督(45)に来季の続投を要請することが12日、分かった。

3年契約最終年となる今季は、故障などによりフルメンバーがそろわない苦しい状況ながら、ソフトバンクとの首位争いを繰り広げている。球団は、その手腕を高く評価。シーズン終了後にも正式要請する方針だ。

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ロッテ新時代の礎が、若きリーダーに託される。球団は来シーズンも井口監督に指揮を託す方針を固めた。チームは18年5位、19年4位とBクラスも、3年契約の最終年に一気に開花。球団はその手腕を高く評価し、シーズン終了後にも来季続投を正式要請する見込みだ。

今季は97試合を終え、53勝42敗2分け。8月18日以降は2位以上をキープし、ソフトバンクと首位を争っている。チームはまだ若く、選手層も厚くないが、その中で井口監督は、就任1年目から育成と勝利の両立を着実に遂行。今季は21歳の安田を7月21日に4番打者に抜てきし、以後71試合連続で4番に固定する。若手選手を起用しながら、周囲の中堅野手の自覚も促し、相乗効果を順位につなげてきた。

チーム強化に向け戦略面でも才腕を発揮した。石垣島キャンプから徹底して意思統一させたのが選球。四球は12球団トップの421で、2割3分9厘のチーム打率をカバーした(12日時点)。昨年創設されたチーム戦略部との連携も強め、少ない安打ながらも好投手を攻略してきた。また吉井1軍投手コーチらとともに「3連投禁止」などの投手起用も確立。益田、唐川らリリーフ陣が大事なシーズン終盤に力を発揮できる環境を整えた。

今季は先発ローテを担う予定だった種市、西野、野手では主砲レアードがケガで離脱。荻野や福田秀、田村も故障でシーズン途中でチームを離れた。現在はコロナ禍で10人以上が療養しているが、それでも急きょ昇格させた高卒2年目藤原が活躍をみせるなど、戦力の底上げも進む。163キロ右腕佐々木朗も、来季の1軍戦力とすべく英才教育のまっただ中だ。来季も上昇気流の中心に井口監督を据え、常勝チーム構築を進めていく。