阪神は13日、11月10日の巨人戦(18時、甲子園)で、今年限りで現役引退する藤川球児投手(40)の引退セレモニーを開催することを発表した。試合終了後に行い、来場者には引退記念グッズがプレゼントされる予定。雨天などで中止になった場合にも、同試合の振り替え試合で開催される。

この日、藤川は鳴尾浜で取材に対応。「その日、感謝を伝えられたら。プレーでというのもありますし、何かを感じてもらえるような場になれば。(感謝を伝える)場にしなければいけないかなと思います」と、思いを語った。

現在は右上肢のコンディション不良から復帰を目指し2軍調整中。今月1日にウエスタン・リーグのオリックス戦(鳴尾浜)で52日ぶりに実戦登板し、現役引退表明してから初マウンドで1回1安打無失点に抑えた。

「復帰を待ってくれているファンもいる中で、個人的にも自分の状態も含めてどれだけのことが実際、できるかどうかは分からないけど、どんな状態であっても、現役としてプロ野球の世界で投げるのはもう最後なんで、見てもらえるような場になればいいですね」。

日米通算250セーブまであと5に迫る希代の守護神が、ファンに最後の勇姿を見せる場になる。

藤川は9月1日の現役引退会見でも巨人への思いを口にし、宿敵に並々ならぬ闘志を抱いてきた。偶然にも、巨人戦が自身の引退試合になる。

「それはたまたまそういう流れになりましたけど、いい戦いをしてきた。自分としては。はっきり分からないけど、対巨人戦というのはもちろんそうなんですけど、数字的にも一番いいんじゃないかなと。チームとして戦ってきた数字が僕の数字」。

熱戦を繰り広げてきた「伝統の一戦」は、ふさわしい花道になりそうだ。

<現役引退を決めた阪神藤川の巨人への思い>

9月1日に現役引退会見を行い「誰が何といってもこれだけは譲れない。譲らないですねそれは。向かっていかなきゃいけないんですから」と口にした。今月1日に52日ぶりに実戦登板した際には、翌2日から甲子園で巨人戦を迎えるチームに言及。「1軍は明日からジャイアンツ戦。可能性は限りなくゼロに近いけど、呼ばれるようなことがあれば、コンディションは別にして精いっぱいやってみたいというのはある」と、改めて宿敵への思いを吐露していた。

◆藤川と巨人戦 通算143試合に登板。防御率2・10は、対セ・リーグ球団では最良だ。救援登板した試合での奪三振数209も、カード別1位。46セーブは、中日戦の47セーブに続き2位。優勝した05年には、13試合に投げ15イニング無失点という、驚異的な成績で宿敵を封じ込めた。また対戦打席数最多は、巨人の阿部慎之助。幾多の名勝負を繰り広げてきた。