阪神矢野燿大監督(51)が13日、“内規違反”会食騒動について謝罪した。前日12日に同監督が夏場に大人数で会食していたなどと一部夕刊紙が報道し、球団が事前に許可を得ていたと発表する事態に発展。矢野監督は「自分自身の自覚の甘さと認識の甘さ。申し訳ない」と反省した。また、藤原崇起オーナー(68=電鉄本社会長)が来季続投の方針を示したことに前向きな姿勢を見せた。

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矢野監督が猛省した。中日19回戦(ナゴヤドーム)の練習前に取材に応じ、ファンに謝罪した。

「球団の方には事前に相談して許可をもらっていたとはいえ、自分自身の自覚の甘さと認識の甘さっていうのがあった。ファンの人を喜ばせたいと言ってるのに、今回の件でガッカリしたファンの人はいると思うし、申し訳ないと思っています。グラウンドでも外でも監督としての自分自身のあり方というものを、改めて見つめ直していきます」

そう言って自身の行動を深く反省した。

前日12日に矢野監督が夏場の遠征先で内規に定められた「4人以内」を上回る大人数で会食していたことが発覚。一部夕刊紙は球団側が事実を認識していながら黙認し、この問題を隠蔽(いんぺい)していると報道した。球団は同日夕方に「事前に球団本部の責任者が相談を受け許可を得ていた」と発表する事態に発展していた。

阪神は9月25日、5選手の新型コロナウイルス感染と同19日に名古屋市内で球団内規を破った外食があったことを発表。内規違反に対し、10選手とスタッフ1人に制裁金を科している。今月9日には揚塩健治球団社長(60)が引責辞任に至った。球団本部の責任者の許可を得ていたとはいえ、疑問符の付く指揮官の行動であった。

ただ、現場を預かるトップはグラウンドで結果を残して期待に応えるしかない。藤原崇起オーナー(68=電鉄本社会長)は前日12日までに矢野監督の来季続投の方針を明言。「セカンドベストを貫いている」とコロナ禍の難局で奮闘する手腕を評価した。3年契約最終年になる来季も指揮を執ることが確実となり、矢野監督も「しっかり応えたいっていう思いはある」と前向きな姿勢を見せた。

15年ぶりのリーグ優勝は絶望的な状況。その差は12・5ゲームと独走する宿敵巨人の背中は、はるか遠くにかすむ。この日は3位中日に敗れて0・5差と詰め寄られた。「もちろん、今からの(残り試合の)ことも来年につながっている。エラーの数も多いし、作戦のミスだったり、もちろん俺の采配も含めていろんなことがある。挑戦して全員でやっていくというところは一番大事にしたい」。背水の3年目へ、険しい道が待っている。【桝井聡】