無双の男が、ついに敗れた。球団新の開幕14連勝を目指した巨人菅野智之投手(31)が、6回4失点で敗れ、昨年9月4日の中日戦以来405日ぶりの黒星を喫した。

<セイバーメトリクスで分析した巨人菅野の開幕13連勝の要因>

過去の成績と比べると、まずWHIPの低さに目がいく。0・88は今季リーグ2位(1位が中日大野雄の0・84)で、17年に迫る数字。WHIPは平均が1・20~1・30で、1・00を切れば超一流とされており、リーグ2位とはいえ0・88は文句なしだ。他の成績も十分すごいが、キャリアハイとなる数字は1つもなかった。

ここで注目したいのがBABIP。「インプレー打率」とも呼ばれ、本塁打を除いた打球が安打になった割合を表す指標だが、今年が最も低い。BABIPは被安打や守備といった投手の実力以外の部分が反映されるので、運が良かっただけ? とも見えるが、守備に目を向けると納得がいく。

チームの守備力を表すDERという指標を見ると、今季の巨人は5年ぶりのリーグ1位で、しかも断トツ。DERが・720以上は球団では90年以来と珍しく、リーグ屈指の守備力が菅野の成績に一役買っていると考えられる。これまでは自己最高に迫る成績に加え、強力な守備を味方につけていたことが連勝記録につながっていた。しかし、この日は今季初めて菅野登板中に2失策が出るなど、守備が乱れた。