ソフトバンク東浜巨投手(30)が、抜群の安定感で、チームトップタイの8勝目を挙げた。先発7回を4安打無失点の好投で、自身は9月から無敗の6連勝。10月の防御率は0・79と、優勝争いの大事なシーズン終盤でチームに今季2度目の7連勝をもたらした。日本ハム戦が雨天中止のロッテとのゲーム差を4・5に広げ、最短で20日にマジック9が点灯する。

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勝利へ、そして優勝への強い気持ちを右腕に込めた。1点リードで迎えた4回1死満塁のこの日最大のピンチを、東浜は気持ちで切り抜けた。銀次を変化球で詰まらせて遊飛、小郷はバットをへし折って二ゴロに仕留めた。

東浜 ちょっとバランスを崩して、難しいマウンドでした。もう、状態うんぬんでないという気持ちで、開き直って勝負したのが良かった。

序盤3回まで、楽天打線を無安打に抑えた。4回以降に4安打されたが、鈴木大、浅村、島内の軸の3人に安打を許さず、7回4安打無失点。今季楽天4戦目で2勝目をマークした。リーグトップの31本塁打、打点もトップに3差の96打点の浅村には、11打数1安打と仕事をさせなかった。

シーズン終盤の9月からの6試合で6連勝。楽天、ロッテからそれぞれ2勝を挙げた。10月に入っての3試合は22回2/3を投げ自責点2、防御率0・79と安定感は増すばかりだ。「いい時も悪い時も粘ってこれた。この経験で引き出しも増え、なんとか最近、心と体が一致するようになってきた」。東浜が10日ロッテ戦(ペイペイドーム)に勝って始まった連勝が、東浜で7に伸びた。1年前は右肘手術からの復活を目指し、2軍で調整していた。「来年大丈夫だろうかと思って投げていた。その不安な気持ちは今年に生きている」と胸を張った。先発ローテーション再編で、次回は27日からのロッテ3連戦で先発することが有力だ。

すべて先発に白星がつく7連勝に、工藤監督も「チームとして理想的な勝ち方ができている」と自信を深めた。ロッテとのゲーム差を4・5に広げ、最短で20日にも優勝マジック9が点灯する。ラストスパートの勢いは、誰にも止められない。【浦田由紀夫】