ソフトバンク柳田悠岐外野手(32)は完全復活での優勝に喜びひとしおだった。昨季は故障で38試合出場だったが、今季ここまで欠場は首の張りによる1試合だけ。「柳田が元気ならば強い」と言える活躍で打線を引っ張った。

昨年は4月に左膝裏を痛め長期離脱。日本シリーズ後に右肘手術を受け、オフは再びリハビリに取り組んだ。その中、球団と新たに7年契約を結び、メジャー挑戦を封印。「一からレギュラー取るつもりで。レギュラー取ります。まじで」。強い思いを懸けた今季、レギュラーにふさわしい結果を見せた。7月はプロ野球タイ記録の月間32得点で、月間MVPを獲得。ここまで離脱はなく、打撃6部門のうち打率、本塁打、出塁率の3つでタイトルを狙える位置に付ける。

新型コロナの影響で3月末から約2カ月間、自宅待機で自主練習。開幕後も自由に外出できない期間が続いた。ただ、パワフルなスイングから受ける印象と違って、元々はマンガやゲームが好きな「インドア派」。自宅では4歳の長女や2月に生まれた長男と過ごす時間が増え、他の人がストレスをためるような状況をプラスに変えられた。

自身が1軍に定着して初めて優勝した14年は、リーグ戦とポストシーズン全試合に出場して日本一まで駆け抜けた。しかし、その後は毎年故障による離脱があった。今年はグラウンドに立てなかったのは1試合のみ。日本一まで「準全試合」を戦力として全うする。【山本大地】