ロッテから育成ドラフト2位指名を受けたBCリーグ茨城の小沼健太投手(22)が2日、茨城・土浦市内の球団事務所で永野プロ・アマスカウト部長らから指名あいさつを受けた。

最速151キロの大型右腕は、千葉・旭市の出身。「12球団の中でロッテに行きたいと強く思っていた。かなって良かったです」と入団を心待ちにした。地元の東総工を卒業後、BC2球団で4年間鍛えた。平均在籍年数が2・4年という同リーグ。4年間在籍後のNPBからの指名は、小沼で4人目になる。

NPBの春季キャンプに裏方で参加するチームも多い。小沼も昨年、今年と2年連続で阪神1軍キャンプに打撃投手として参加。「1軍の選手の皆さんとは、ひと通り対戦させていただきました」。

仕事場はマウンドだけではない。ティー打撃のボールを上げるのも毎日の役割だった。緊張した。「去年、初めて外国人選手にティーの球を上げて、急に投げられなくなっちゃって」。まさかの“ティー上げイップス”。糸井には顔付近にトスを上げてしまい、空振りさせるという、笑えないエピソードもある。

少し慣れて“制球”も安定した今春キャンプでは、福留のティー打撃のパートナーを専属で務めた。「いろいろ勉強させていただきました。一番すごい打撃練習をしていたイメージがあります」。一流を体験しながら、自身の成長につなげた。高卒時も、BCリーグ3年目までも、1通も届かなかったNPB球団からの調査書が今年、一気に6球団から届いた。

大卒1年目と同じ世代になる。「1年目で支配下登録されることをマストに、いつか日本代表に入れるような投手になりたいです」とリリーフでの飛躍を目指す。目標通りにいけば、来秋にはソフトバンク柳田やオリックス吉田正などリーグを代表する強打者と対戦しているかもしれない。

どう攻めてみたいか。「たぶん、インコースですかね。普通とは逆のことを考えるのが好きで、自分の球でそういう攻めをしたらどうなるだろうとか、よく考えています」。猛者たちから真の空振りを奪うため、心身ともに鍛錬を重ねていく。【金子真仁】