球児魂で成り上がる! 阪神ドラフト8位の四国IL高知・石井大智投手(23)が3日、高知市内の球団事務所で指名あいさつを受けた。ドラフト会議全体の支配下選手で最後となる74番目で指名を受けた。最速153キロの直球に、「魔球」のシンカーで勝負。15年に同高知に所属した偉大な先輩・藤川球児投手(40)の後を追う。

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石井が高知から大きな夢を描いた。今季限りで引退する藤川と入れ替わる形で、阪神からドラフト指名された。四国IL高知に所属という共通項がある。「自分も真っすぐには自信がある。子供の頃からオールスターとかを見ていて、藤川投手は雲の上の存在。同じ球団に入団できることを光栄に思いますし、そのレベルに近づけるように頑張っていきたい」。その右腕で球児魂を継承する決意だ。

ドラフト会議で名前が呼び上げられたのは12球団の支配下選手で最後となる74番目だった。「正直、諦めていた。その時は自分が抜け殻になったみたいな感じ」と振り返る。秋田高専を卒業し、独立リーグ3年目でプロ入りの悲願を果たした苦労人。高専出身では3年終了時に巨人入りした09年ドラフト2位の鬼屋敷以来。高専卒となれば石井大が初となり、背負う期待も大きい。

直球の最速は153キロ。変化球では、右の上手投げでは使い手が少ない特殊なシンカーも高い評価を受けた。参考にしたのは、西武で活躍した横手投げの潮崎哲也氏(現西武編成グループディレクター)のシンカーだ。高校2年から投げ始めたという。「潮崎さんのシンカーはずっと見ていた。サイドとオーバーでは全然違うんですが、リリースも意識したりしました」。憧れる藤川の直球も、ホップするような軌道が「魔球」と称された。石井も「魔球」で成り上がる。

プロ1年目の目標は「1軍に出ること」と、具体的な数字やタイトルは挙げなかった。昨年まで高知で指揮を執った駒田徳広前監督から「1軍に出ないとプロ野球選手ではない」と常々言われていたという。「先発、中継ぎ、抑えとどこでもやるつもりでいます。与えられたところで、しっかり結果を出すだけです」。しんがり指名から、描くは火の玉サクセスストーリーだ。【奥田隼人】

★石井大智(いしい・だいち)

★歩み 1997年(平9)7月29日、秋田市生まれ。旭川小3年から旭川スポーツ少年団で軟式野球を始める。秋田東中ではロッテ成田翔とチームメート。秋田高専ではエース。4年、5年は体力づくりに専念。18年から独立リーグ四国IL高知でプレー。

★サイズ 175センチ、81キロ。右投げ右打ち。50メートル6秒。遠投113メートル。

★持ち球 スライダー、カットボール、シンカー、カーブ。

★趣味 筋トレ。スクワットは約200キロ。自信のある筋肉は三頭筋。

★好きな食べ物 鶏肉。好きな料理はマーボー豆腐。「秋田に帰ったらいつも作ってくれるおばあちゃんのマーボー豆腐がめちゃくちゃおいしいので」。

★学科 秋田高専では環境都市工学科で土木と建築を勉強。「僕は東日本大震災を経験をしたので、そこで住宅のことを勉強しようと思った」。将来の夢も同業種の仕事だった。

★プロ志望のキッカケ 「高専3年の時に中学の同級生の子(成田翔)がプロに行き、それが刺激になった」。高専入学時は野球を続けるかさえ迷っていた。

★座右の銘 「Living is not breathing but doing」(生きることは呼吸をすることじゃなくて、行動することだ)。哲学者ルソーの言葉。「高校3年で進路を悩んでいた時にこの言葉に出会い、自分の道を進もうと思った」

★好きな芸能人 秋田出身の歌手・高橋優

★指名の反響 LINEは約300件。周りの反応は「天と地の差」。

担当の阪神山本スカウト 即戦力だと思っています。ストレートの力、速さでは今年の四国ILでは一番のピッチャーだと僕は思っています。(起用法は)どこでもハマると思います