2年連続2度目のイースタン・リーグ王者となった楽天が、ウエスタン・リーグ王者のソフトバンクを6-4で下し、球団初のファーム日本一に輝いた。村林一輝内野手(23)が2本の適時打を含む4安打2打点1盗塁の活躍で最優秀選手に選出された。先発の西口直人投手(23)も6回8安打3失点と踏ん張った。昨季同舞台で敗れたソフトバンクへリベンジを果たした。

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大一番で村林のバットが止まらない。第1打席は右二塁打。1点を追う2回2死一、三塁では右前へ同点適時打、4回は中前へ勝ち越しの適時打を放ち、大竹から猛打賞をマーク。9回には田中から150キロ直球を引っ張って左二塁打で締めた。3方向に長短を打ち分ける活躍で、最優秀選手賞に選出された。「何より、このメンバーで勝てたこと、このチームで日本一になれたことが一番です」と喜んだ。

満足はない。今季の1軍出場はわずか3試合に終わった。「とても悔しい思いをしました。1軍で活躍するためには、何が自分に必要なのかを考え直し、走攻守全てのレベルアップを目標に取り組んできました」。自らと向き合いながら、積み重ねた努力が最終戦で実を結んだ。

粘りの投球で、大量失点は許さなかった。先発の西口は初回につかまる。先頭打者からの4連打を含む、5安打を浴びて3失点。だが、2回以降は立て直し、スコアボードにゼロを並べる。6回3失点と先発の役目を果たすと、池田駿、池田隆とつなぎ、最終回は守護神の4番手・釜田が締めた。この日の最速153キロ直球を軸に、スライダーを織り交ぜ、打者3人をわずか11球。パーフェクトに抑え、胴上げ投手となった。

就任1年目のシーズンを戦い終えた、奈良原浩2軍監督(52)は「今回の日本一を自分の自信にして、さらなる飛躍をしてほしい。一人でも多く、1軍が勝つための戦力になってもらうために、技術を上げる努力を続けてほしい。それが全てです」と期待を寄せた。若手選手の奮起がチームの底上げにつながる。

<表彰選手>

▽最優秀選手 村林一輝内野手(楽天)

▽優秀選手 西口直人投手(楽天)海野隆司捕手(ソフトバンク)