2年ぶり16度目出場のJR北海道クラブは、初戦で5年連続44度目出場の強豪NTT東日本に1-6で敗れた。2年目で都市対抗初登板の先発伊藤宏太(23=北翔大)が5回1/33安打1失点と粘投も、チームは6回に不運な内野安打と守備の乱れなどで4失点。8回に1点返すも、4年ぶりの本大会1勝には届かなかった。

チャンスで1本が出なかった。序盤5回までに毎回安打を放つも無得点。6回に4点を奪われ、その後は流れを引き戻せなかった。初の本大会で指揮した南則文監督(50)は「いい流れで入れていたが、なかなか点が取れなかった。継投もプラン通りだったが、6回だけ残念な結果になってしまった」と悔やんだ。

収穫もあった。経費的な事情もあり補強選手ゼロで臨んだことで若手が躍動。野球人生初の全国大会出場で好投の伊藤は「真っすぐがコースに決まれば痛打されないと分かった」。リードした1年目の井内駿捕手(22=東海大北海道)は盗塁を2度刺し、打撃でも2安打。「送球は投手陣と準備していたことが出せた」と手応えを口にした。

コロナ禍で春先は練習自粛。日本選手権もなくなる中、今年最初で最後の全国大会で奮戦した。南監督は「この大会がなかったらみんな頑張れなかった。負けは悔しいが、ここに来られたことが幸せ」。辛抱しながらつかんだ糧を、来年の飛躍につなげる。