日本ハムは7日、札幌市内にある球団事務所で12選手と契約更改交渉を行い、全員が1発サインした。200万円増の年俸2200万円で更改した清宮幸太郎内野手(21)は4年目の来季へ、シーズン中からアドバイスを受け続けた中田と叱咤(しった)激励を受けた球団への恩返しとなる活躍を誓った。2年目で初の開幕スタメンを勝ち取った野村佑希内野手(20)は280万円増の880万円でサインし、来季は三塁のレギュラー奪取を目標に掲げた。(金額は推定)

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持ち前の天真らんまんさは、影を潜めていた。清宮は「アップでした」と、表情を崩さずに言った。200万円増の2200万円で更改も、笑顔はない。「正直、何を言われても、どういう提示でも受け入れるつもりはありました。全然アップするとか思っていなかったので、本当にありがたいです」。契約の席で、球団から言われた「清宮は、こんな成績じゃない」を神妙に受け止めた。

真価が問われた、高卒3年目の今季。出場試合数はキャリアハイ96試合でプロ入り後、初めて故障なくシーズンを完走した。栗山監督ら首脳陣の方針で2軍ではなく、1軍にいながら試行錯誤し、成長を求められた。「(試合に)出させてもらったところがほとんどなので、本当に感謝しかないです」。打席数が増えたことで、冷静に打席に入ることができ、考え方が広がった。

苦しいとき、頼もしい背中に助けられた。同じ一塁に就くことが多い中田から、多くの助言を受けた。「みんなが見ていないところで声かけてくださったりしましたし、グラウンドでもたくさんお話もして頂いた」。中田が報道を通して「眼中にない」と期待を込めて言った言葉は、笑顔で受け取った。「中田さんらしいというか、逆にうれしくなりました。少しでも中田さんよりいい活躍を出来れば、恩返しになるかな」と力にした。

充実のオフへ、早くも自信を見せた。プロ入り後、オフ期間はリハビリに費やすことが多かった。「このオフ、やりたいことがすごく明確」と攻守でのレベルアップはもちろん、理想のスイングの確立に精を出す。魅力の本塁打は、過去2年と同じ7本にとどまった。「まずは自分の長所、僕らしさをどんどん出していければ」。今季味わった悔しさと感謝の思いは、結果で示す。