プロ3年間で通算90安打の佐野が首位打者を獲得した。昨年までの先発出場は通算70試合だったが、今季は開幕4番でスタート。4番を105試合務めた。プロ野球初年度の36年と外国人選手を除き、初めて規定打席に到達したシーズンに首位打者は17年宮崎(DeNA)以来16人目。本塁打も昨年の5本から20本へ増え、初の規定打席到達シーズンに「首位打者+20本塁打」は4人目だ。過去15人を見ると、首位打者を2度以上が7人、打率3割を5度以上が8人。宮崎も18、20年に打率3割を記録しており、佐野が3割打者の常連になる可能性は高い。

苦手の左投手を攻略した。昨年まで対左投手は通算47打数10安打の打率2割1分3厘だが、今季は129打数43安打の打率3割3分3厘。対右投手の打率を上回り、今季のセ・リーグ規定打席到達者の中で対左投手の打率は4位。対右投手の打率が2位で、左右両投手から高打率を記録した。また、菅野(巨人)に8打数4安打、西勇(阪神)に8打数5安打と、エース級を苦にせず、規定投球回に到達した投手に対しては55打数22安打の打率4割。対右、対左、対規定投球回到達の打率がすべて5傑入りは佐野しかいない。

佐野は16年ドラフト9位で入団した。ドラフトの指名順位が9位以下の首位打者は、67年東京10位で入団し、太平洋時代の76年に獲得した吉岡以来2人目だ。16年のドラフトは87人が指名され、佐野は全体では84番目。16年ドラフト組では山岡(オリックス1位)が19年に勝率、山本(オリックス4位)が19年に防御率、20年に奪三振のタイトルを獲得したが、野手では9位入団の佐野が最初のタイトルホルダーとなった。【伊藤友一】

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