広島遠藤淳志投手(21)が今オフ、体だけでなく、頭もフル稼働させている。先発転向した今季、19試合で5勝6敗、防御率3・87を残した。

1年間ローテーションを守ったものの安定感を欠いたシーズンに「まだまだ結果も出ていないので、やるしかない。上を目指して貪欲にやっていかないと、この世界、生き残っていけないと思う」と危機感を胸にオフを過ごしている。

安定感を求め、オフは体を動かすだけでなく、頭をフル回転させる。シーズン中の映像から修正点を分析し、オフのキャッチボールの映像を撮影。自分の感覚とすり合わせながら、フェニックスリーグから継続するシャドーピッチングなどで体にたたき込む。「球が高めにいくときは上体が突っ込んでしまっている。そこが大きい。安定したフォームの再現性を高められるようにやっていかないといけない」。球団の施設が使用できない期間のみ帰省する間も、実家でシーズン中の全登板を見返すつもりでいる。

来季開幕ローテが約束された立場ではない。九里や森下、床田のほか、ケガから実績ある大瀬良や野村が復帰する。ほかにもトミー・ジョン手術から復帰した高橋昂はすでに1軍キャンプ参加が決まっており、ドラフトで指名した即戦力3投手や新外国人ネバラスカスもいる。「アピール合戦になると思う。厳しくなると思うので、自分を出して、俺が俺がという気持ちを出していきたい」。競争を勝ち抜くため、オフは体も頭も休ませない。【前原淳】