広島堂林翔太内野手(29)が22日、広島市内の球団事務所で大トリの契約交渉に臨み、2000万円増の3600万円と自身最高額の年俸を勝ち取った。球団側から「今年1年しっかり働いてくれた」と評価されたという堂林は「カープに入って11年で、一番良いことを言われました。ほんの少しですけど、恩返しはできたのかなと思います」と感慨深げに話した。

11年目の今季はまさに飛躍の年となった。6年ぶりの開幕スタメンをもぎ取り、111試合に出場。8年ぶりに規定打席に到達し、打率2割7分9厘、プロ最多タイの14本塁打、自己最高の58打点と奮闘した。「結果を残す。その気持ちだけで今年は入りました。気持ちを切らさずにやった結果が、開幕スタメンから徐々に結果を残して乗っていけたのかなと思います」と振り返った。

プロ入りから昨年まで毎年期待されながらも、悔しいシーズンが続いた。「苦しかった日を思い出すと、そこには戻りたくない自分もあった。それを思うと踏ん張って必死になって、粘ってこれたのかなと思います」。腐らずに貪欲に挑戦を続けてきたことが実を結んだ。

まだまだ課題もある。「全ての部分でレベルアップしないといけない。来年三塁を守ることになったら特に守備を頑張らないといけない」と引き締めた。リーグワーストの18失策を記録しただけに「もちろん打つのも大事ですけど、守備で足を引っ張っている部分もあった。少しでもミスを減らしていけるように努力していきたい」と力を込めた。

1月は2年連続で鈴木誠に弟子入りし、約2週間にわたって沖縄県内で合同自主トレを行う予定だ。前回は主砲の助言もあり、打撃フォームを修正したことが今季覚醒の一因となった。「まだまだ吸収するところはある。さらにレベルアップできるように、(鈴木誠に)お願いしました」。曽根、永井、中神、中日石川昂の野手組に加え、森下も参加する予定だ。

21年は30歳に突入する。来季について「最後の最後まで野球をやって、強いパ・リーグを倒して、日本一になりたい」と気合をにじませた。個人目標は「来年も1年間1軍にいて、戦力になって、さらにプラスしたらキャリアハイの成績が残せるように頑張ります」。さらなる飛躍を目指し、鍛錬を続ける。(金額は推定)【古財稜明】