年末恒例「阪神ファンアンケート」で矢野燿大監督(52)が厚い信任を得た。日刊スポーツでは今月上旬からインターネットでファンの声を募り、全体の有効投票で1239票が集まった。2年目の今季は開幕直後の大失速から巻き返し、2位フィニッシュ。アンケートの第1弾では約80%という高い支持率をたたき出した。3位、2位と来て来季は…。勝負の3年目に向けて大きな後押しを受けた。

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矢野阪神2年目は、巨人に7・5ゲームの差をつけられての2位だった。3カ月遅れとなった開幕、無観客試合、そして9月には選手、スタッフらの感染が判明し、大量離脱にも発展。コロナの影響を受けたシーズンは序盤から巨人に独走を許した。一時は最下位に転落したが、終盤の粘り腰で2位。矢野監督の支持率は前年の約84%から4ポイント減少したが、依然として高い。

「支持する」というファンのコメントの一部を紹介したい。「十分、優勝する力があるチームなので、矢野監督に頑張ってほしい」(大阪府40代女性)。「守備がどうこう言いますが、結局は巨人に負け越した分がゲーム差になっている。巨人に勝てれば優勝できます。ファンも一緒に闘います」(京都府20代男性)。「勝っても負けても元気をもらってます。来季も頑張ってください」(宮崎県60代女性)。「矢野監督! やっていることに自信を持って雑音を排除してください」(千葉県50代男性)。この2年間で大山、近本がポジションを確立。選手の背中を押すような矢野監督の言動もおおむね好評だ。「すばらしいスローガン! 優勝だ!」(大阪府30代女性)と、来季のスローガン「挑・超・頂-挑む 超える 頂へ-」を支持する声もあった。

もちろん、「支持しない」という厳しい声もある。「自主性は、大事だと思うけど、厳しく練習してほしい」(東京都50代男性)。「監督とベンチの首脳陣に指導力がない。選手起用や作戦面で采配ミスが多すぎる。選手のミスを容認しすぎる」(山梨県70代以上男性)。「エラーが多すぎる。情けない」(京都府50代男性)など。ただ、これも愛情の裏返しに違いない。

今回のアンケートではフロントに対する称賛の声も目立った。「今年は積極的な補強をしてるみたいで別のチームみたい」(広島県50代男性)。「フロントの努力で必要なメンバーはそろってきた。あとは勝ちにこだわる選手の意識が大事」(兵庫県50代男性)。今秋のドラフトで近大・佐藤輝を獲得。オフにはロハス、アルカンタラ、チェンと実績ある新外国人を次々と補強した。来季への期待度は間違いなく高い。16年ぶりリーグ優勝、そして36年ぶり日本一へ。虎党支持者は矢野監督の胴上げを心待ちにしている。【桝井聡】