日本ハムの新人バッテリーが15日、初のブルペン入り。新人合同自主トレを行う千葉・鎌ケ谷の室内練習場で、最速155キロ右腕のドラフト1位伊藤大海投手(23=苫小牧駒大)が同3位古川裕大捕手(22=上武大)を相手に、立ち投げで22球を披露した。

伊藤は自身の投球に「60点」と辛口採点も、女房役との相性は◎。大学ジャパンでもバッテリーを組んだ2人が、あうんの呼吸を見せた。

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2人のルーキーにとって、緊張のプロ初ブルペン。静寂の中、小気味よいミット音だけが響いた。伊藤の球を、同期入団の古川が受ける。オール直球で22球。「6~7割の力」で投げていた伊藤だったが、20球目に差しかかるころギアチェンジ。最後はミットを射抜くような球で、締めくくった。

19年8月の侍ジャパン壮行試合、大学代表対高校代表でもバッテリーを組んだ2人。「体も大きく投げやすい。ミットが動かないのがすごい。大学時代より、さらにレベルが上がっている」と伊藤が言えば、受けた古川も「140キロ中盤は出ていたと思う。思っていた以上にボールが来ていた。きれいな真っすぐというより、強く、重い球ですね。(大学ジャパンの時より)球自体が強くなっている」。伊藤自身は投球に「60点」と辛口採点も、互いに成長を認め合った。

これまで、体のバランスを確認するため内野手用グラブでキャッチボールを重ねてきた伊藤は、この日、プロ用に新調した「勝負カラー」という赤いグラブを初使用。「普段は地味な色が多いんですけど、勝負する時だけはスイッチが入るように。大切にしている色」。宮西モデルが原型の赤いグラブは、闘志むき出しにマウンドでほえる投球スタイルにふさわしい。ブルペン入りは昨年10月以来で「傾斜に対してのアプローチ」を意識し「いい踏み込みができていたのでは」と、手応えを口にした。

新球場が開場する23年には、チームの中心選手として期待される。伊藤は「ゆくゆくは、2人でチームを引っ張っていけるようなバッテリーになりたい」。始まったばかりのプロ人生。互いに切磋琢磨(せっさたくま)し、二人三脚で球界トップへの道を歩んでいく。【中島宙恵】