打線の“長”になる!? 広島松山竜平外野手(35)が“長”野モデルの“長”バットで、“長”打力アップを目指す。

昨季使用したバットから長く重いものに新調した。鹿児島・鹿屋市を中心に行っている自主トレでは、ライバル加入の一塁死守と打者としての進化のために新相棒を振り込んでいる。

長い練習時間は例年と大きく変わらない。地元で自主トレを続ける松山は、新相棒とともに新シーズンへ向けて始動した。昨季まで使用していたバットから1インチ長い34・5インチとし、重さも10グラム前後重い895グラム~900グラムに重くした。新外国人クロンが加入する一塁を死守するため、長打力を求めて振り込んでいる。

新相棒との出会いはシーズンも残り少なくなった昨年11月。試合前に長野にバットを借りたのがきっかけだった。「意外と重くもないし、扱いづらさもなかったので、チョーさんに何本か譲ってもらった。インコースの厳しい球も本塁打にできたので、いいんじゃないのかなと」。ヤクルトの黄金新人奥川にプロの洗礼を浴びせた1発は長野バットから生まれた。

オフにバット工場に出向き、長野モデルから10グラム軽くする形で落ち着いた。よりヘッドを効かせることができ、長さの割に振り抜きやすい特徴がある。86キロある体重を2キロ落として体の切れを出し、新相棒とともに昨季9本塁打からの量産を狙う。一塁には一昨年3Aで38発の大砲が加わる。昨年の契約更改時すでに「まずはバッティングで負けない。しっかり打ってアピールすれば使ってもらえる」とライバル心をむき出しにしていた。

打者としての成長のためでもある。昨年9月28日から4番を任せられたが、相手からの厳しいマークに苦しんだ。4番定着まで3割だった打率は、2割7分7厘まで落ちた。「(相手の)攻め方が変わってきているから、バットも変えてみようと」。新相棒と次なるステージを目指す。

チームでは2番目の年長者。最年長の長野からは「松ちゃんの方が僕より顔が老けていますし、松ちゃんが一番上だと思ってやります」と言われ「一番上らしく、(野手主将の鈴木)誠也が苦しいときにサポートしていきたい」と笑顔で応えた。今季はチームの長として、広島打線を引っ張る。【前原淳】