開幕ローテ争いへ第1歩。広島高橋昂也投手(22)が17日、広島・廿日市市内の大野練習場で今年初めてブルペン投球を行った。捕手を立たせて真っすぐのみ30球を投げ込んだ。昨年8月にトミー・ジョン手術から復帰し、フェニックスリーグで好投。視察した佐々岡監督から1軍春季キャンプ参加の内定をもらった。クリス・ジョンソンが抜けた後の左の先発として、大きな期待を背負っている。

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ミット音が大野練習場内に響いた。チームでただ1人、今春1軍キャンプ内定をもらっている高橋昂がブルペン入り。テークバックを大きくとる新フォームから1球1球確認するように、約30球を投じた。開幕ローテーション争いへ向けたスタートを切った。

「初めてにしては良かったと思います。立ち投げですけど、結構強く投げました。キャンプに入る前から真っすぐのスピードとキレを求めていきたい」。

19年2月にトミー・ジョン手術を受け、昨年8月に実戦復帰した。登板回数を重ね、臨んだ昨季終了後のフェニックスリーグで好投。視察した佐々岡監督が思わず「当然(1軍キャンプで)見てみたい」と1軍同行を明言したほどだった。

フェニックスリーグ終盤に投球フォームを微修正。投球を再開した3月からは小さいテークバックから投げるフォームを続けていたが「しっかりとテークバックを取るようになった。勢いも付くので、スピードも上がってくると思う」。フェニックスリーグでは最速144キロにとどまった直球のスピードアップを目指す。「150キロを目標に出していければいいと思います。あんまり欲張りすぎずに自然体で投げられたらいいかなと思う」。確かな手ごたえがある。

昨年の今頃はまだリハビリ段階で「投げる」ことが目標だった。今年は1月中旬に早くも傾斜を使った投球ができている。「ローテーションに入って活躍することを目指していきたい。1勝でも多く1試合でも多くやりたいです」。今後もブルペン投球で強度を上げていきながら、25日をめどに捕手を座らせた本格投球を目指す。首脳陣から大きな期待がかけられる今季は「1軍の開幕ローテとして投げる」ことが目標となる。【前原淳】

◆高橋昂也(たかはし・こうや)1998年(平10)9月27日生まれ、埼玉県出身。小3から野球を始める。花咲徳栄では1年秋からベンチ入り。2年夏は甲子園8強、3年春はセンバツ初戦敗退。16年ドラフト2位で広島入団。18年4月に1軍デビュー。通算6試合1勝2敗、防御率9・43。181センチ、90キロ。左投げ左打ち。