DeNAから巨人にFA加入した井納翔一投手(34)が日刊スポーツに新愛称の命名権を委ねた。18日、川崎市のジャイアンツ球場での自主トレ後、リモートで取材に応じた。新天地での愛称について問われると「あれは僕が決めたわけじゃないんで。当時の日刊の記者の人が決めたので。決めてもらうなら日刊の人に決めてもらえれば」と唐突に名指しした。

「あれ」とは古巣時代の愛称「ハマの宇宙人」のことだ。13年5月7日。27歳のオールドルーキー井納がプロ初勝利を挙げた。翌日の本紙紙面では、井納の天然で憎めない人柄を「宇宙人」と紹介した。以降は、「ハマの宇宙人」として定着し、ファンに愛された。この日の発言も、宇宙人たる由縁だ。多くの選手は、愛称を聞かれても「任せます」「どんな愛称でもいいですよ」と答えるのが普通。しかし、8年前の記事を覚えていたのだろう。20人以上いるリモート会見で、唐突に名指しした。奇想天外でありながら義理堅い一面も兼ね備えている。

この日の自主トレで今年初のブルペン入り。「マウンドが東京ドームと同じだと聞いた。これからはホームとして投げていくので体に少しでも早く覚えさせたい」と意気込んだ。残留が決まった菅野や新しく就任した桑田投手チーフコーチ補佐から成長へのヒントをもらい、さらなる進撃を目指す。34歳になっても新たな挑戦を選ぶ貪欲な向上心。「進撃の巨人」ならぬ、ズバリ「進撃の宇宙人」。決めさせてもらいました!【小早川宗一郎】

◆日刊スポーツ命名の主な愛称

▽ダイナマイト打線 1リーグ時代の46年、阪神打線はチーム打率2割8分8厘。打線に愛称がついた球界第1号とされる。

▽ゴジラ 92年春のセンバツ。星稜の松井秀喜に命名した。当時の担当記者は「下半身が大きくて、犬歯が特徴的なところから浮かびました」と説明。

▽マシンガン打線 38年ぶりにリーグ優勝を果たした98年の横浜は、中距離打者が連打でつないで得点をたたき出した。

▽JFK 05年阪神の勝利の方程式はジェフ・ウィリアムス、藤川、久保田。7月18日横浜戦も盤石の継投で勝利し、3人が登板した試合は1分けを挟み17連勝。翌日「JFK」の見出しが躍った。

▽スコット鉄太朗 スコット・マシソン、山口鉄也、西村健太朗からなる巨人の救援陣ユニット。12年6月30日中日戦に3人の継投で勝利した際に命名。

▽山賊打線 元祖は75年の太平洋。その流れを受け継ぐ西武はパを制した18年、山川、浅村らの強力打線が売り物だった。本紙が見出しに取って大きく扱ったところから定着した。

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