阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)が、球団史上最速の実戦となる2月4日の紅白戦でデビューすることが決まった。阪神は21日、甲子園で合同コーチ会議を開き、2月1日から沖縄・宜野座で行う1軍キャンプメンバー42選手を発表。新人は佐藤輝ら即戦力6人の沖縄行きが決まった。右翼の定位置獲得を目指す佐藤輝は、「バッティングをアピールしたい。結果第一」と名刺代わりの豪快デビューを誓った。

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佐藤輝がタテジマデビューをフルスイングで魅せる。「やっぱりバッティング、打つところは一番にアピールしていきたいです」。期待のドラフト1位ルーキーが、堂々と宣言した。

この日、矢野監督は第1クールの最終日の2月4日に、初実戦となる紅白戦を予定していることを明かした。「野手は出るでしょう。テル(佐藤輝)に関しては4日。普通にやっているんであれば」。状態に問題がなければ、佐藤輝ら新人野手のデビュー戦になる。阪神のキャンプ史上最速の実戦で、現時点では今年12球団最速の実戦。注目度MAXの一戦で、黄金ルーキーがプロの船出を飾る。

佐藤輝も大歓迎だ。「自分は結構、試合で調整する。実戦が早めにあるというのは、プロのボールを見るという意味でもプラスかなと思います」。新人合同自主トレが始まって約2週間がたつが、体の仕上がりも上々。「まだ今は自分と向き合って体を作るという段階。競争というのはしっかりキャンプでできればいいかなと思います」。残る期間で万全に整え、糸井や高山、陽川、井上らがひしめく激しい右翼争いに挑む。

2月4日は、高卒2年目の西純も登板予定。1軍ローテも期待される右腕との“ドラ1対決”で結果を残せば、大きなアピールになる。「しっかりプレーで結果を残して。(ファンも)それで喜んでくれると思うので。まずはしっかり結果第一でやっていきたいと思います」。コロナ禍の影響で、無観客でのキャンプイン。画面越しのファンにパワフル打撃で自己紹介する意気込みだ。

プロ初のキャンプでは大黒柱との対戦も心待ちにする。「どの投手が来ても打てるようにしたいですけど、西投手とか、エース級のピッチャーとどんどん対戦していきたいなと思います」。ターゲットに定めたのは昨季チーム最多の11勝を挙げた西勇。実戦形式で対決機会があれば、自分の現在地を確かめるつもりだ。

矢野監督も楽しみを隠せない。「いや、もう期待はね、ファンの皆さんもそうやし俺らもそうやし。楽しみな選手なので、早く見たいなと思います」。2月4日。豪快なデビュー記念日が待ち遠しい。【磯綾乃】

◆阪神キャンプ中の実戦 2月4日に初の実戦を行うのは史上最速。過去は18、19年にとも2月7日の紅白戦が最も早かった。昨年の初戦は2月8日の中日との練習試合で、木浪と北條が本塁打を放ち猛アピール。初の紅白戦は同18日で、近本、マルテ、梅野が本塁打し順調な調整を見せた。

▼阪神の1軍キャンプに新人6人が参加するのは、01年以来20年ぶり。同年は投手の藤田太陽、伊達昌司、内野手では沖原佳典、藤本敦士、梶原康司、そして外野手の赤星憲広が選ばれた。この年、赤星は39盗塁でタイトルを獲得し、新人王も受賞。遊撃手として藤本が72試合、沖原が70試合に出場しレギュラーを争うなど、野手陣が結果を残した。