リーグを代表するヒットメーカーが、若手に打撃の極意を伝授する。2年連続パ最高出塁率のタイトルを手にした日本ハム近藤健介外野手(27)が25日、沖縄・名護の先乗り自主トレに合流した。2月1日から始まる春季キャンプでは、宿舎の“近藤部屋”を開放して、悩める後輩たちの声に耳を傾ける予定。新選手会長が、チーム全体のレベルアップに一肌脱ぐ。

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若手がこぞって打撃技術の師事を仰ぐ“打撃の申し子”日本ハム近藤が、2月1日から始まる春季キャンプで、宿舎の“近藤部屋”開放に意欲を見せた。

近藤 教えられることは、どんどん(教えたい)。そのくらい野球に対する思いがあるなら、応えたいと思います。

場所は宿舎だけとは限らない。グラウンドでも積極的に後輩たちの質問に応える方針だが「言っても、皆来ないでしょ。どうせ」と苦笑い。新選手会長の自覚たっぷりに、先生役を買って出る。

球界を見渡しても、最も「打ち取りにくい男」だ。昨季は打率3割4分、出塁率4割6分5厘で2年連続最高出塁率のタイトルを手にした。四球を選ぶ選球眼と4年連続打率3割超の卓越したバットコントロールで、今年開催予定の東京五輪でも代表入りが期待されている。

年明けには、恒例の鹿児島・徳之島で5~20日まで自主トレを敢行。新たにロッテ藤岡が参加するなど、総勢8名で土台を固めてきた。新型コロナ感染症の予防から、食事中には席を離れて座るなど対策もバッチリ。この日、沖縄・名護の先乗り自主トレに合流し、フリー打撃では殆ど打ち損じることなく快音を響かせた。「体は動かしてきたので、あとは詰めていく段階。右中間、左中間のライナーを意識して打撃練習をしていけたら」と、春季キャンプでは技術向上に力を注ぐ予定だ。

近年、目標として公言してきた「首位打者獲得」の言葉は、一旦封印することにした。

近藤 四球でいい打席でも安打を欲しがったり強引になってしまう。それは良くないし、チームの勝ちにもつながらない。まずはチームの勝ちを優先したい。

リーダーとして、献身的にチームを引っ張る。【中島宙恵】