広島野間峻祥外野手が28日、28歳の誕生日を迎え、河田雄祐ヘッドコーチ(53)から叱咤(しった)激励の“プレゼント”を贈られた。マツダスタジアムの室内練習場で自主トレを実施。西武、ヤクルトのコーチ経験があり、野間と同じ右投げ左打ちの名選手と身近で接してきた同コーチから再起への提言が送られた。レギュラー再奪取へ、チャンスをつかみとる。

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28歳となった野間の表情には今年にかける決意がみなぎっていた。本拠地の室内練習場でフリー打撃を終えると、1人黙々と打撃マシンと向き合い、何度もバットを鋭く強く振り込んだ。

「毎年『今年こそ』という気持ちでやってますけど、今年はいつも以上に『今年こそ』という気持ちでやっていきたいと思います」

レギュラー再奪取へ試行錯誤している。昨季は70試合と出場機会を大幅に減らした。巻き返しへ向け、今オフは瞬発系のトレーニングや、12月には鳥取市の「ワールドウィング」で初動負荷トレーニングを実施するなど、新たな動きに挑戦した。打撃については「バットの入り口を一定のところから全部出すことを意識して、下半身をしっかりと決めたところから打つ」と課題を持って取り組んでいる。

この日視察に訪れた河田ヘッドコーチは再起を図る野間について、こう語った。「本人が納得する中で、1つ何かを変えないといけないのは確か」と指摘。同コーチが他球団のコーチ時代に、野間と同じ右投げ左打ちのヤクルト青木、西武秋山(現レッズ)の打撃技術を身近で見て、考えを聞いてきたということもあり、「まねするのもいいんじゃないかな」と提言。報道陣から伝え聞いた野間は「良いものを吸収して、できるだけ良い形で実戦に入れるように」と力を込めた。

河田ヘッドは野間の奮起に期待した上で「本人が一番いろいろ考えている。迷っているところもあると思う。自分で『今年はこうやっていきたい』ということもあると思う。話し合ってやっていきたい」と全力でサポートする構えだ。野間は「期待してもらうことはありがたいこと。応えられるようにしっかり準備してやりたい」と引き締めた。

野間は河田コーチの“プレゼント”に加え、球場に訪れた西川からは高級ブランドの誕生日プレゼントを贈られた。「西川さんからおしゃれなやつをもらいました」と笑顔で喜んだ。28歳の意気込みについては「とにかく試合に出る。優勝して日本一になることが目標です」と決意を新たにした。【古財稜明】