「メリハリ」キャンプで、マー君を待つ。楽天石井一久GM兼監督(47)が、都内で行われた田中将大投手(32)の入団会見から一夜明けた1月31日、キャンプ地の沖縄・金武町で合同自主練習を視察した。強行日程をものともせず、選手、スタッフらと精力的に交流。コロナ禍を乗り越えるため「お部屋時間の充実」も率先した。田中将の合流時期は2月中旬となる見通し。指揮官として初のキャンプで土台づくりに励み、最強右腕を待ちわびる。プロ野球12球団の春季キャンプは1日、スタートする。

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野球ファンがマー君に沸いた歴史的入団会見から16時間半。都心から約1500キロ離れた沖縄・金武町に午前10時半ごろ、同会見に出席した石井GM兼監督が姿を見せた。「僕が疲れていても、睡魔がきても別にあんまり関係ないので」。前日は会見後に最終便で沖縄入りし、深夜に就寝。疲労感を覚えるまもなく、球場へ足が動いた。

ハリのある時間を過ごした。隣接する打撃練習中のメイングラウンドと投手陣が陣取るサブグラウンドをいったりきたり。野手では主軸の浅村、茂木ら、投手ではローテを担う涌井、岸、早川らと1対1で現状、今後の調整過程などを確認した。ブルペンにも足をのばし、投球練習を行う則本昂に「順調?」と歩み寄った。「みんな野球を飢えている。すごく元気な感じでキャンプ地に来てくれていることが良かった」。選手、スタッフとの交流はもちろん、広報とともに、取材陣との動線確認にまで気を回した。

もっとも、選手への要求は明確だ。夕方に行われたミーティングでの訓示。「1球1球集中してほしい」と単純かつ至難なチーム方針を打ち出した。「1球1球にどれだけ集中したかによって、選手個々の成績、チームの成績も変わってくる。どれだけ勝ちたいか、を求めたい」。糸を張り詰める。

一方、グラウンドを離れれば、ゆる~く気分転換も不可欠。コロナ禍の影響で生まれた“お部屋時間”の使い方に「テレビゲームをします。やりたいゲーム? ウイニングイレブンをやります」と息抜きを率先した。「選手も大事にリフレッシュしないといけない。ゴルフも休日にできないという状況で部屋ではすごくリラックスしていただきたい」と思いやる。

指揮官として初のキャンプ。田中将の加入で12球団屈指の投手陣が完成した。「今年こそは、という、今までなかなか勝てなかった悔しさというのをぶつけてほしい」。がっちりと手綱を握り、押し引きする。【桑原幹久】

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◆楽天石井GM兼監督の30、31日の主な動き

【30日】

午後4時半 都内のホテルで田中将入団会見に出席

同5時半頃 同会見終了。羽田空港へ移動

同8時ごろ 羽田空港発の最終便飛行機で那覇空港へ移動

同11時頃 那覇空港着。車で名護市内のチーム宿舎へ移動

午前0時以降 チーム宿舎到着

【31日】

(同9時半頃 チーム本隊が球場入り)

同10時半頃 球場入り。メイングラウンド、サブグラウンド、ブルペンを行き来

午後0時半頃 練習終了。球場発

同1時ごろ チーム宿舎到着

同4時 ミーティング開始

・同4時15分ごろ ミーティングから退出。メディア対応

・同4時半ごろ メディア対応終了