ソフトバンクの大砲、リチャード内野手(21)が、1発回答だ。15日、今春キャンプ初の紅白戦が行われ、2回の第1打席で大竹から左翼ポール際にソロを放った。王球団会長、小久保ヘッドコーチから連日指導を受けていた育成出身の怪力大砲の「脱力打法」完成が最終段階に入った。昨年逃した開幕1軍へ、リチャードはバットでアピールを続ける。

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ソフトバンクが誇る若き大砲が、いきなり1発を放ってみせた。今季初の紅白戦。白組の7番指名打者でスタメン出場し、2回の初打席に大竹の低めスライダーをすくい上げると、ライナー性の打球が左翼ポール際へ一直線。ポールを巻くように打球が芝生席で弾んだ。

王球団会長から言われている「脱力打法」が完成へと近づきつつある。「スイングの力は3割でいいんだよって言われているんです」。カウント2-2からの低めの変化球だったが「自分では5割くらいのスイングで、飛んでいったって感じです」とさらりと振り返った。小久保ヘッドコーチから言われて、スタンスを狭めて打つ練習を14日から始めた。「練習だけはスタンスを狭くしたら、スイングにキレがでる。本番の打席では普通にしてますけど。ドリルみたいなもんですかね」。小久保ヘッドの指導も結果に結びつけた。

10日、初めてのシート打撃では2打席目に泉から本塁打。11日にはセンター後方、フェンス直撃の二塁打を放つなど、1発を含む2安打を放った。この日の紅白戦2打数1安打を含めると、8打席で7打数4安打2本塁打。「昨年はただ体、腕、首まで力んで思い切り振っていたが、今年はスパンって感じです」。フルスイングしなくても飛ぶことを体に覚えさせた。

育成だった昨年はキャンプから猛アピール。紅白戦からオリックスとの初オープン戦まで3試合連発。オープン戦ラストの広島戦(マツダ)でも本塁打を放ち、支配下登録を勝ち取った。しかしコロナ禍で開幕が延期したこともあり、開幕1軍を逃した。「人数を数えてみても、開幕1軍に残るにはかなり厳しい。これからアピールしてくらいついていかないと生き残れない」。初実戦で最高の結果を残したが、これからが本当の戦いとなることは百も承知している。【浦田由紀夫】

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