阪神青柳晃洋投手(27)が、目標の13勝に向けて幸先良くスタートを切った。ヤクルト戦に先発して6回途中7安打3失点で今季初白星。「昨日(藤浪)晋太郎が頑張って試合を作っていたので、そう簡単に負けるわけにはいかないな、と。連勝して良かったなという感じです」。

3失点の数字より、安定した投球内容が目立った。初回は3者凡退で4回まで二塁も踏ませず。5回に連打で2点を失い、6回先頭の村上にソロを浴びたが、山田は2三振、遊ゴロと快音を許さず。「緊張もあったんですけど、野手の方が4点も取ってくれて、いつもの開幕より楽に入れたかなと」。全てのボールが低めに制球良く決まった。

背中を押された神宮で、見違えた姿を見せた。2年前の5月6日。同じ神宮でのヤクルト戦。青柳は初回にセーフティーバントで揺さぶられ一塁へ“大暴投”した。そこから崩れて4回4失点で降板。ベンチへ戻ると、矢野監督がつかつかと歩み寄ってくる。怒られるかも…。「すみません」。そう口にした青柳に対して、思わぬ言葉が掛けられた。「なんで謝るんや。次につなげればいい。次にどう生かせるかで、失敗と成功が変わる。うまくなるかは、そのあとの練習をするかは自分次第」。

この日もセーフティーバントの構えで仕掛けられたが、動じない。マウンドで笑みをこぼす余裕さえ見せた。頼もしく成長した姿こそが、信じてくれた指揮官への恩返し。矢野監督は「3点というより中身的にはすごく安定していた。ヤギがそういうリズムを作って。抑え方としてすごくレベルの高い、安定感ある投球だった」と手放しにたたえた。

かねて目指してきた数字へ。「純粋に勝ちがつくのはうれしい。目標13勝と言っていますし、それに1つ近づいたということで、うれしいです」。まず1勝を手にした。【磯綾乃】

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▽阪神岩貞(1回1/3無失点で2試合連続ホールド)「青柳がものすごくいい投球をしていたので、イニング途中にいきましたけど、絶対に抑えてやるという気持ちでいった。抑えたので良かった。次の回もランナー出したんですけど、落ち着いて抑えることができた。

▽阪神小林(今季初登板で1回を3者凡退)「初登板ということで緊張はしたんですけど、結果ゼロに抑えられてほっとしています。