若鯉リリーバー躍動。広島投手陣が中日3回戦(マツダスタジアム)で0封リレーを決めた。打線が毎回出塁しながら無得点が続く中、相手打線を粘り強く封じた。先発野村祐輔投手(31)から、7回以降は4年目のケムナ誠投手(25)と新人2人でつなぎ、引き分けに持ち込んだ。9回打ち切りの今季、若い中継ぎ陣の台頭は明るい材料といえる。

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新守護神が同点の9回、マウンドでほえた。前日27日に初セーブを挙げたドラフト1位の栗林が0-0の“最終回”を任された。先頭京田を初球カットボールで二ゴロ、木下拓からはカットボールで空振り三振を奪い、大きく右拳を握ってシャウト。最後も武田をカットボールで空を切らせた。「もともとカットボールとカーブを使いながらフォークも使うという投手。今日はカットの調子が良かったので、捕手がカットを選択したんだと思う。結果的にフォークに頼っていないというのはあるので良かった」。フォークを封印して2戦連続完全投球で、0封リレーを締めた。

両軍ガードを固めた終盤。経験豊富な中日の中継ぎ陣に対し、佐々岡監督は若い中継ぎ陣を投入した。6回無失点の先発野村の後を託したのは、ドラフト2位の森浦。プロ初の連投。前日27日は左打者への死球からピンチを広げたが、この日も強気に攻めた。7回2死二塁から福留を歩かせるも「勝負しにいったけど、ボールになったので、切り替えて次の打者という意識で投げた」と動じなかった。大島を内角直球で詰まらせ、バトンを渡した。

8回は開幕戦で敗戦投手のケムナが登板した。1死一塁で開幕戦で決勝弾を浴びたビシエドと再戦。指揮官の「早めに払拭(ふっしょく)できればという考えもあった」という起用に応え、初球150キロ直球で押して右飛に抑えた。「脳裏に浮かんだんですけど、とにかく強気でいって最終的にいい打球だったが、球威で押せて結果的にアウトになったと思います」。無失点で栗林につなぎ、自ら苦い記憶を振り払った。

毎回走者を出し、7度得点圏に走者を進めた攻撃の悪い流れにも、最後まで中日に本塁を踏ませなかった。勝ちきれなかったものの、負けなかったことに意味がある。開幕カードは1勝1敗1分けの勝率5割スタート。佐々岡監督は「若い投手もよく抑えたというところで、次につながる」とたたえた。9回打ち切りとなる今季、中継ぎ力はチームの浮沈を左右する。ブルペンには今季2ホールドの塹江も控えていた。ブルペンの安定感こそ、延長なき戦いに好循環を生み出す。【前原淳】

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