阪神近本光司外野手(26)が開幕からスランプに苦しんでいるが、それは安打量産の前兆といえる。

6試合を終えた時点で、26打数2安打、打率0割7分7厘は規定打席到達者でリーグ最下位。1日の広島戦後、矢野監督は「チカが出ることがうちの野球のポイントになる」とキーマンに挙げていた。チームは4勝2敗と上々の滑り出しも、リードオフマンの不調は気になるところだ。

過去2年はどうだったのか。開幕10試合終了時点の成績を振り返ってみる。1年目の19年は、10戦目までに8試合に先発。30打数6安打で打率2割発進だった。2年目は10戦全てに先発し、39打数5安打で打率1割2分8厘。3戦目の巨人戦ではサンチェスから先頭打者本塁打を放っているが、スロースターターは否めない。

ただ、昨季、月間打率1割台は開幕月の6月のみ。その後は復調し、月間打率3割、30安打以上をいずれも3度記録した。とりわけ8月の38安打は球団史上9位タイ。どん底を抜け出せば打ちまくり、最終的に打率2割9分3厘まで上げた。

1年目の19年も3、4月のトータルでは打率3割2分7厘。近本の不調期は開幕直後の“年1回”という見方もできる。スランプを乗り越え成績を残す地力の高さは証明済み。いち早く現状を打破すれば、3年目で初の打率3割、最多安打のタイトルも目指せる。

3月13日西武とのオープン戦で本塁打を放った際には「(オープン戦のテーマは)技術的なものがほとんど。バッティング練習ではある程度できているので、実戦でもやれるように」と、シーズンを見据えレベルアップに励んでいることを明かした。「21年版近本」に結果が伴えば…。猛虎打線はさらに活気づく。【中野椋】

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