中大が代打逆転本塁打で先勝し、開幕5連勝で優勝した19年秋以来の開幕3連勝とした。

主将の一打が打線に火をつけた。2点を追う8回裏、先頭の古賀悠斗捕手(4年=福岡大大濠)の左越え本塁打で1点を返した。2四球、犠打と中前打で1点を返し、さらに2死一、二塁。同点、逆転の絶好機で打席には「チーム内で安打の確率が高い」という高橋隆慶捕手(2年=明秀学園日立)が代打で送られた。

打席に向かう高橋に、古賀がささやいた。

「3回振ってこい」。

高橋は主将の言葉に奮起した。「絶対に打ってやろうと思った。でも、心は冷静でした」。1球ボールを見送り、真ん中真っすぐのファーストストライクを思い切り振り抜くと、打球はレフトスタンドへ吸い込まれ逆転3ラン。高橋は「ホッとしました」と笑顔を見せた。

公式戦2打席目での初安打は、値千金の勝ち越し3ラン。「この結果は自信になる。いい形でいけた。次につなげたいと思う」と胸を張った。

粘り強く、チーム一丸で劣勢をはね返す。中大は開幕から波に乗っている。