1年生のバットが止まらない。青学大・佐々木泰内野手(県岐阜商)が国学院大2回戦の3回、一時同点の2ランを放った。試合は敗れたが、2試合連続本塁打で、出場6試合で早くも今季4号だ。大学の先輩・井口(現ロッテ監督)の通算24本超えを目標にハイペースで量産している。立正大は駒大に打ち勝った。東洋大は細野晴希投手(2年=東亜学園)が初勝利を完封で飾った。首位中大は開幕6連勝の後、2連敗。

◇   ◇   ◇

佐々木の読みが勝った。0-2の3回1死二塁。「昨日はスライダーに全く合わず三振。ストレート3、変化球7で待とう」。前日にやられた国学院大・楠茂の結果球に重点を置いた。その通り、初球に甘いスライダーが来た。左中間へたたきこみ、6試合で4発。「絶好調です」と自覚すると同時に「まだ来た球を(反応で)打つことはできない。配球を考えてます」と言った。現在地を謙虚に見詰め、結果につなげた。

先月まで高校生だった選手が驚異的なペースで本塁打を打っている。最近の青学大のスラッガーといえば吉田(現オリックス)がいるが、1年春は1本のみ。「(佐々木は)打ち損じがないですね」とたたえたのは、ネット裏で視察した青学大出身の巨人円谷スカウトだ。水があっているのでは、と推察した。

1学年15人以下という少数精鋭。同スカウトは「全体練習は短く、後は自分で考えてやる。人数が少ないから、たくさんできるし、試合にも出やすい。自主練習をしない選択肢もありますが、先輩みんながやるから、自然と1年生もやる。じゃないと、レギュラーにはなれませんでした」と述懐した。佐々木は「高校の時は長時間、全員で練習。今は自分で考えてます。課題をつぶす時間があり、やりやすいです」。高校で鍛えた土台の上に、青学大のスタイルがマッチし、成長が加速している。

本塁打の後は、直球に右飛、遊直。当たりは悪くなかった。「追い込まれてから、どんなボールにも対応できるように」と一喜一憂しなかった。【古川真弥】

 

◆佐々木泰(ささき・たい)2002年(平14)12月24日生まれ。岐阜・大垣市出身。岐阜ボーイズから県岐阜商。昨夏の甲子園交流試合で1発を放つなど、高校通算41本塁打。最速143キロ右腕としても活躍。目標とする選手は楽天浅村。趣味は映画観賞。好きな食べ物はラーメン。180センチ、80キロ。右投げ右打ち。