首位阪神はドラフト1位佐藤輝明内野手(22)、ドラフト2位伊藤将司投手(24)のルーキーコンビが大活躍し、ともに今季最多の18安打13得点で4連敗を阻止した。

【中西清起氏の解説】

-伊藤将が初完投

中西氏 ルーキーとは思えない立派な内容だった。DeNAの打者は真っすぐとカットボールが同じ出どころ、軌道だったので、見極めができないように映った。同じ出どころ、左打者も右打者もしっかり内角を攻めていたので、凡打の山を築けた。大量援護でも集中力を切らさず投げ切り、6連戦の中で中継ぎ陣を休ませられたのは大きい。

-打線は今季ともに最多の18安打で13得点

中西氏 初回から、みんな甘い球を逃さず積極的にスイングできていた。ただ、6回には陽川の落球する失策もあった。大量点差で見過ごされがちだけど、優勝を目指していく上で、隙を見せてはいけない。阪神にとっては2カード連続負け越しはよくないだろうし、今週を3勝3敗で終えたいところ。25日は締まったゲームを期待したい。

-ほぼいいところがなかったDeNAはどう映った

中西氏 大量点差もついたけど、投手に声をかけに行く選手も少ない。球際も弱かったし、1つ1つのプレーに集中していないように感じた。みんな違う方向を向いているというか、チームとしてまとまっていない、戦う集団になっていない。しっかり立て直さないと、負けが込んでしまう。




チーム
DeNA
阪  神×13

【De】上茶谷、桜井、風張、シャッケルフォード、石田

【神】伊藤将


試合経過

<1回>

【DeNA】

1番神里 二直

2番大和 遊ゴロ

3番オースティン 中飛

阪神対DeNA 阪神先発の伊藤将(撮影・前田充)
阪神対DeNA 阪神先発の伊藤将(撮影・前田充)

【阪神】

1番近本 ライトへ二塁打

2番糸原 一ゴロ。二塁走者の近本は三塁へ

3番マルテ 左安打で先制

4番大山 左安打

5番サンズ 右安打で満塁

6番佐藤輝 ライトへ2点適時打

7番梅野 一塁へバント。ソトの野選で再び満塁

8番木浪 ライトを越える3点二塁打

9番伊藤将 中安打

1番近本 自打球で負傷交代。代打に板山、一飛

2番糸原 左飛

阪神対DeNA 1回裏阪神1死三塁、マルテは左前適時打を放つ。投手は上茶谷(撮影・加藤哉)
阪神対DeNA 1回裏阪神1死三塁、マルテは左前適時打を放つ。投手は上茶谷(撮影・加藤哉)
阪神対DeNA 1回裏阪神1死満塁、佐藤輝は右前適時打を放つ。投手は上茶谷(撮影・加藤哉)
阪神対DeNA 1回裏阪神1死満塁、佐藤輝は右前適時打を放つ。投手は上茶谷(撮影・加藤哉)
阪神対DeNA 1回裏阪神1死満塁、右前2点適時打を放ちガッツポーズする佐藤輝(撮影・前田充)
阪神対DeNA 1回裏阪神1死満塁、右前2点適時打を放ちガッツポーズする佐藤輝(撮影・前田充)
阪神対DeNA 1回裏阪神1死一、三塁、近本は自打球で負傷する(撮影・上山淳一)
阪神対DeNA 1回裏阪神1死一、三塁、近本は自打球で負傷する(撮影・上山淳一)
阪神対DeNA 1回裏阪神1死一、三塁、近本(右から2人目)は自打球で負傷しベンチへ引き揚げる(撮影・上山淳一)
阪神対DeNA 1回裏阪神1死一、三塁、近本(右から2人目)は自打球で負傷しベンチへ引き揚げる(撮影・上山淳一)

【中西清起氏の解説】

-阪神打線が初回に一挙6得点

中西氏 3連敗の嫌な流れの中で、1番近本が右越え二塁打で打線を活気づけた。DeNA先発の上茶谷はキレも球威もいまひとつだったが、阪神打線がしっかり打ち返した。連敗していても、打線は力のあるところを示した。佐藤輝も内角膝元の厳しいコースだったけどうまく打っていた。

-木浪も久々スタメンで走者一掃のタイムリー

中西氏 久しぶりの打席だったけど初球をしっかり仕留めた。中野も出てきた中で出番は少なくなっていたけど、いい競争心を持っているから積極的にいっていい結果を出せたと想う。

-先発伊藤将は三者凡退の立ち上がり

中西氏 かなり感覚が開いたこともあって、立ち上がりは球が上ずっていた。でも先頭神里のセカンドライナーは助かった。1番を出していれば別の展開になったかも知れない。先頭を取ったことで落ちついて投げることができたと思う。


<2回>

【DeNA】

4番佐野 右安打

5番ソト 三併殺

6番宮崎 二ゴロ


【阪神】

DeNA2番手は桜井

3番マルテ 三失策

4番大山 左安打

5番サンズ 左安打

6番佐藤輝 満塁でセンターへフェンス直撃の2点適時打

7番梅野 遊併殺

8番木浪 左飛

阪神対DeNA 2回裏阪神無死満塁、中越え2点適時打を放つ佐藤輝(撮影・前田充)
阪神対DeNA 2回裏阪神無死満塁、中越え2点適時打を放つ佐藤輝(撮影・前田充)

<3回>

【DeNA】

7番牧 二ゴロ

8番戸柱 レフトへ三塁打

9番桜井 ヘフトへ適時打

1番神里 左飛

2番大和 二ゴロ


【阪神】

9番伊藤将 一ゴロ

1番板山 空振り三振

2番糸原 中飛


【中西清起氏の解説】

-阪神先発の伊藤将は3回1失点の立ち上がり

中西氏 2回、3回は次第に低めやいいコースに集まり、よくなってきた。でもサンズの守備は疑問だ。

-3回に戸柱の左翼線へのヒットに飛び込み、三塁打にしてしまった

中西氏 8点リードでなぜ飛び込む必要があったのか。二塁打までで止めておかないと。三塁に進めてしまって、その後投手にタイムリーを打たれて余計な1点を与えてしまうわけだから。サンズは2回の走塁も疑問だった。

-佐藤輝が2回無死満塁で左中間へフェンス直撃の2点タイムリー。だが一塁走者のサンズは二塁までしか進めなかった。

中西氏 一塁走者だから一番打球がよく見えるはず。なぜ三塁に行けなかったのか。打球判断に大きな疑問符がつく。結局佐藤輝はシングルヒットで無死一、二塁止まり。続く梅野の併殺などで追加点を奪えなかった。こういう一方的な展開で目立つプレーではないけど、見逃してはいけない。

-サンズが守備と走塁で隙を見せた

中西氏 巨人はメンバーが手薄でもこういうプレーがほとんどない。だから接戦で勝ってくる。この日のような一方的な展開は珍しく、プロ野球は1点をどう取り、防ぐかのスポーツ。隙を見せたら負ける。


<4回>

【DeNA】

3番オースティン 四球

4番佐野 二併殺

5番ソト 左安打

6番宮崎 空振り三振


【阪神】

3番マルテ 四球

4番大山 左安打

5番サンズ ライトへ適時二塁打

6番佐藤輝 無死二、三塁で変化球を見逃し三振

7番梅野 左中間へ2点二塁打

8番木浪 投直

9番伊藤将 空振り三振

阪神対DeNA 4回裏阪神無死一、二塁、サンズは右前適時二塁打を放つ(撮影・加藤哉)
阪神対DeNA 4回裏阪神無死一、二塁、サンズは右前適時二塁打を放つ(撮影・加藤哉)

<5回>

【DeNA】

7番牧 ピッチャーへの内野安打

代打山本 空振り三振

代打知野 二併殺



【阪神】

DeNA3番手は風張

1番板山 ライトへ三塁打

2番糸原 ライトへ適時打。先発全員安打

3番マルテ 捕邪

4番大山 空振り三振

5番サンズ 右飛

阪神対DeNA 5回裏阪神無死、板山は右に三塁打を放ち三塁に向かう(撮影・上山淳一)
阪神対DeNA 5回裏阪神無死、板山は右に三塁打を放ち三塁に向かう(撮影・上山淳一)

【中西清起氏の解説】

-伊藤将は5回まで1失点

中西氏 回を追うごとによくなっている。特にいいのは、要所で決まっているカットボールだ。5回までに奪った併殺打3つは、いずれもカットボールを打たせたものだと思う。真っすぐの軌道で来て、打者の手元で少し動く感じ。打者は真っすぐだと思って振り、結果として詰まらされている。点差は開いたが、今後も自分の投球を続けることが大事になる。

-打線は5回までに今季最多の11点を奪った

中西氏 3連敗で何とかしなきゃという思いが、初回からいい形で出ている。守備や走塁でサンズのまずいプレーはあったが、他の選手は集中できていると思う。戦いはまだまだ続くのだから、最後まで締めて戦うことだ。


<6回>

【DeNA】

1番神里 遊邪

2番大和 中飛

3番オースティン 空振り三振

阪神対DeNA 6回表、プロ初守備につく小野寺は中堅へ走る(撮影・加藤哉)
阪神対DeNA 6回表、プロ初守備につく小野寺は中堅へ走る(撮影・加藤哉)

【阪神】

6番佐藤輝 右中間へ二塁打。プロ初の猛打賞

7番梅野 三ゴロ

8番木浪 ライトへ適時二塁打

9番伊藤将 見逃し三振

1番板山 空振り三振

阪神対DeNA 6回裏阪神無死、右中間へ二塁打を放つ佐藤輝(撮影・前田充)
阪神対DeNA 6回裏阪神無死、右中間へ二塁打を放つ佐藤輝(撮影・前田充)

【中西清起氏の解説】

-佐藤輝が6回にも右中間へ二塁打を放ちプロ初の猛打賞

中西氏 DeNAの投手陣が良くなかったとはいえ、しっかり3本打った。1打席目は内角の厳しい真っすぐで、2打席目はやや真ん中のスライダー、3打席目はフォークの抜け。どの球種にも対応できていた。先日の東京ドームはかなり強振していたが、それを10とすると今日は8ぐらい。少し力を抜いて、どれも完璧に捉えていた。

-復調のきっかけになるか

中西氏 悪い時はタタミ1畳ぐらいの範囲で振っていたけど、ボールから遠く離れた空振りもない。ボール球を振っての空振りが一番よくないが、今日はしっかり見極めてストライクゾーンを打っていた。内容があるし、本人も昨日エラーしたりして、何とかという思いもあっただろう。すぐいい結果を出せたし、調子を取り戻すきっかけになるんじゃないかと思う。

-伊藤将は安定して1失点ピッチング

中西氏 球数も少なく、いいペースで投げている。完投できるチャンス。しっかり投げきってほしい。


<7回>

【DeNA】

4番佐野 右翼線へ二塁打

5番ソト 空振り三振

6番宮崎 右飛

7番牧 投ゴロ


【阪神】

DeNA4番手はシャッケルフォード

2番陽川 三飛

3番小野寺 プロ初打席は空振り三振

4番大山 一邪

阪神対DeNA 7回裏阪神1死、空振り三振に倒れる小野寺(撮影・前田充)
阪神対DeNA 7回裏阪神1死、空振り三振に倒れる小野寺(撮影・前田充)
阪神対DeNA 7回に登板のDeNAシャッケルフォード(左)は3人で終えベンチの選手らとグータッチ(撮影・上山淳一)
阪神対DeNA 7回に登板のDeNAシャッケルフォード(左)は3人で終えベンチの選手らとグータッチ(撮影・上山淳一)

<8回>

【DeNA】

8番山本 三ゴロ

代打桑原 二直

1番神里 一ゴロ


【阪神】

DeNA5番手は石田

5番山本 三飛

6番佐藤輝 空振り三振

7番梅野 レフトへ二塁打

8番木浪 四球

9番伊藤将 空振り三振


<9回>

【DeNA】

2番田中 左安打

3番蝦名 二ゴロ

4番佐野 見逃し三振

5番山下 三ゴロ

阪神対DeNA DeNAに勝利し、プロ初完投勝利を挙げた伊藤将司(右)は梅野隆太郎とグータッチ(撮影・前田充)
阪神対DeNA DeNAに勝利し、プロ初完投勝利を挙げた伊藤将司(右)は梅野隆太郎とグータッチ(撮影・前田充)

スタメン

【阪神】

1(中)近本

2(二)糸原

3(一)マルテ

4(三)大山

5(左)サンズ

6(右)佐藤輝

7(捕)梅野

8(遊)木浪

9(投)伊藤将

【DeNA】

1(中)神里

2(遊)大和

3(右)オースティン

4(左)佐野

5(一)ソト

6(三)宮崎

7(二)牧

8(捕)戸柱

9(投)上茶谷