楽天田中将大投手(32)が日本復帰後初の本拠地登板に臨み、6回68球3安打1失点で勝利投手の権利を持って、マウンドを降りた。

ももいろクローバーZの「吼えろ」をBGMに、スタンドの「おかえりボード」で仙台のマウンドに背番号18が迎えられた。初回。先頭若林にいきなり強い打球を左中間へ飛ばされたが、中堅手辰己がランニングキャッチ。田中将は帽子をとって、感謝の気持ちを示した。3者凡退で立ち上がった。

すると直後に味方が2点を先制。援護を背に2回は先頭中村に左前打を許したが、続く栗山を一ゴロ併殺。愛斗を空振り三振に仕留めた。

だが3回、西武打線の粘りに得点を許した。先頭スパンジェンバーグをリクエストの末に死球で出し、二盗も許した。無死二塁から呉念庭にスプリットを救われ、1点を返された。それでも簡単には崩れない。2死一、三塁までピンチを広げたが、森を二ゴロに打ち取り、寄せ付けない。

4回以降は8、14、5球と打たせてとる投球で3イニングとも3者凡退に抑えた。6回68球と前回登板よりも少ない球数だったが、ベンチで石井GM兼監督、小山投手コーチから声をかけられ、マウンドを降りた。「粘り強く抑えられて良かったです」と淡々と振り返った。

当初は開幕2戦目、3月27日日本ハム戦で本拠地、今季初登板の予定だったが右ヒラメ筋損傷で直前に回避。本拠地での登板は13年11月3日、巨人との日本シリーズ第7戦以来、2729日ぶりとなった。「楽しみにして、待っていてくれた方々もいらっしゃると思いますし、そこに合わせてチケットを取ってくださった方もいたと思う。やはりその時はものすごく心苦しかった」とファンの思いをくみ取った。「予定より約1カ月遅れて、こうして投げられるということで、もちろん楽しみですけども、こういった状況の中でも変わらずプレーできるということにも感謝しながら、投げたいなと思います」とコロナ禍で制限のある中、観客の前で腕を振れることに特別な思いを持った。

復帰2戦目。まだ完調ではない中でも巧みな投球術を駆使し、力を見せた。