頼もしい4番がドラフト1位右腕にプロ初勝利をプレゼントした。日本ハム近藤健介外野手(27)が、ソフトバンク戦(ペイペイドーム)の6回に試合を決める5号2ランを放った。

力投したルーキー伊藤を援護する大きな1発で4月は5本目。月間本塁打数は18年6月に並ぶ自己最多タイとなった選手会長は、チームにも5カードぶりの勝ち越しをもたらした。

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狙った結果を大幅に上回る、4番らしい仕事だった。2点リードの6回無死一塁。近藤は「なんとか一、二塁間に引っかけようとだけ考えていたので…それがうまく(バットに)乗ってくれた」。ソフトバンク和田のカットボールに食らい付き、打球は右翼のホームランテラスに飛び込んだ。「まぐれの1本です」という5号2ランが「なんとか勝たせたかった」伊藤のプロ初勝利を最後まで守る切り札となった。栗山監督も「なかなか点数が取れないところで、本当に大きかった」と感謝した。

最近9試合で5本目のアーチとなった。「何が起きているのか、自分でもちょっと分からないです」と苦笑いする本塁打量産態勢。月間5本は3年ぶり2度目で自己最多タイ。天才的なヒットメーカーも、あまり経験がない確変状態に「キャンプ中には、しっかり強く振ることを心掛けていた。それが形になりつつあるのかな」と、現状を自己分析した。

極上の選球眼とバットコントロールの巧みさは球界随一。そこにインパクトの力強さが融合し始めた。打率は2割6分1厘で「もう少し率も上げたい。ホームランが増えていることはいいと思う。そこの両立を」と、全開へあと少しだ。

開幕前に左膝を痛め、この試合も右手の違和感から7回には大事を取って代打を送られた。万全とは言えないが、打撃に支障は「全然ないです」。16年シーズンから6連敗中だったソフトバンク和田に5年ぶりに土を付け、チームも5カードぶりの勝ち越し。パワフルな選手会長がチームを上昇気流に乗せた。【木下大輔】

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