広島先発の野村祐輔投手(31)が虎の怪物ルーキーの1発に沈み、2軍降格が決まった。

2点リードの5回、ドラフト1位の佐藤輝に逆転満塁本塁打を被弾。5回途中5安打5四死球5失点で降板し、勝ち星なしの3敗目を喫した。3番鈴木誠也外野手(26)が3回に自身110打席ぶりのタイムリーを放って先制したが乗り切れず。チームは今季初の4連敗で、借金は最多の3にふくらんだ。

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野村が、甲子園のマウンド上でぼうぜんと立ちつくした。2点リードの5回、先頭からヒット、四球、ヒットで満塁のピンチを招き、怪物ルーキーの佐藤輝を迎えた。カウント2-2からの5球目、内角低めのチェンジアップを捉えられ、打球は右翼ポール際へ。くしくも甲子園では、広陵時代の07年夏の決勝、佐賀北戦で食らった1発以来の逆転満塁弾となった。

「なかなかチームが乗っていける投球ができなくて悔しい」

5回表までは広島に流れがきていた。3回には鈴木誠が、1死二塁から左翼線を抜ける二塁打を放ち、3月31日の阪神戦以来実に26試合、110打席ぶりのタイムリーで先制。すぐに追いつかれたが、4、5回に打線が奮起し、リードを2点に広げた。その直後の被弾だっただけに、佐々岡真司監督は「(鈴木誠が)よく打ってくれたけど、そこで(野村が)乗っていけなかったところが今日の敗因でしょう」と肩を落とした。

野村は2年ぶりの開幕ローテに入ったが3試合結果が出ず、4月12日に2軍降格。同25日に再昇格したが、2試合連続で被弾を許すなど、精彩を欠いていた。指揮官は野村について「勝負できているところがなかなかない。今年はまだボールの力、キレがない」と指摘。次回のチャンスについては「ないないない。落とす」と再降格を明言した。

チームは今季初の4連敗で、借金は最多の3に膨らんだ。今季甲子園は4戦4敗で、鬼門となりつつある。佐々岡監督は「明日(3日)広島に帰って、気を引き締めてもう1度やり直さないといけない」と懸命に前を向いた。まずは「勝利」という形で、悪い流れを止めたい。【古財稜明】

▽広島鈴木誠(3回1死二塁から、3月31日の阪神戦以来、自身110打席ぶりのタイムリーとなる左翼線二塁打) ランナーをかえすことができてよかった。(今後は)良いところで打てればいいなと思います。