一矢報いる主砲弾。広島鈴木誠也外野手(26)が巨人戦7回戦(マツダスタジアム)で7試合ぶり7号2ランを放った。1点を追う3回に巨人畠から一時逆転の2ランの左翼席に運んだ。4試合ぶり複数安打で6試合連続安打とし、打率は3割2分7厘に上昇。その後チームは逆転負けとなり主砲の1発は空砲に終わった。投打がかみ合わずに、チームは5連敗となった。

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甘く入った変化球に反応した。1点を追う3回。2死二塁で巨人畠の甘く入った変化球を見逃さなかった。捉えた打球は低い弾道で左翼席に突き刺さった。「甘かったんで。コントロールいい投手ですし、なかなか甘い球が来ない。そこを仕留められたのは良かったなと思います」。試合後はチームの敗戦もあり、笑顔がなかった。

打率を3割2分7厘に上げながらも、まだ状態は良くない。オフに大改造した打撃フォームを昨季に近い形に戻し、5月に入っても試行錯誤は続く。この日は試合前のフリー打撃時に、裏方に自分の携帯電話を託して動画撮影を依頼。インターバルの間に映像を見返して再びケージに入るなど悩める日々を過ごす。

「毎日変えてるので、分からないです。しっくりしている感じもない。でも、1シーズンでしっくりすることなんてそんなにないですし。その中でもやってかないといけない。それが少しずつ最初に比べてみたら、たまにいい結果が出てくるようになりましたけど、まだめちゃくちゃいいっていう感じではない」。生みの苦しみを味わいながらも、6試合連続安打、15試合連続出塁を記録する。

昨季対戦打率2割3分とセ5球団の中で最も抑えられた巨人相手に今季はやり返している。今季対戦打率4割9厘、4本塁打はシーズン本塁打の半数以上だ。主砲が示す向上心と反骨心こそ、5連敗となったチームに求められている。【前原淳】