エース復帰。広島大瀬良大地投手(29)が、ウエスタン・リーグ中日戦(由宇)に先発した。4月15日の練習中に右ふくらはぎを痛めて戦列を離脱。リハビリを経て4月9日巨人戦以来となる実戦で5回6安打3失点にまとめ、3三振を奪った。打撃、守備も軽快にこなし、患部の不安を感じさせなかった。順調なら18日巨人戦(東京ドーム)にも1軍マウンドに帰ってくる。

   ◇   ◇   ◇

1カ月ぶりの実戦登板となった大瀬良の立ち上がりは、探るように力感があまり感じられなかった。だが1回、1番渡辺の一塁側へのファウルに反応。続く溝脇の一ゴロにはベースカバーに走り、右ふくらはぎの回復ぶりを動きで示した。投球にも徐々に力感が増し、3回はいずれも右打者の内角を突く真っすぐで連続三振を奪い、2死からは外角カットボールで3者連続三振。その裏の打席ではきっちりと犠打を決めた。

「思ったよりも早く来られたかなと思います。(ふくらはぎは)全ての動きに関わってくる場所ですし、怖さもあるかなと思っていた。本当にいろんな人が携わってくれた。早く治るようにとか、復帰できるように動いてくれた。早く帰りたい思いも強かった。その思いも届いたんじゃないですかね」

4回は先頭の内野安打から3連打をきっかけに2点を失い、5回には郡司にソロを浴びた。結果、5回を投げ75球で6安打3失点、無四球3三振にまとめ、最速は147キロを計測した。「もう少しこわごわになるかなと思っていたけど、気にせずに(動けた)。突発的な動きだったりもクリアできた。何も問題なく不安なく終えられた」。確認したいことは全てできた。

3年連続で開幕投手を務め、3試合で2勝0敗、防御率0・89。快調にシーズンを滑り出した中でのアクシデントだった。登板を翌日に控えた4月15日。ショートダッシュ時に右ふくらはぎを痛め、戦線離脱となった。右腓腹筋(ひふくきん)挫傷と診断された。「すごく責任を感じています。チーム状況的にも、その後から思うようにならなくなったのかなというふうにも思うので。何とか早く戻って、その空気を変えて、しっかり働いて、返していきたい気持ちは強い」。今月2日にブルペン投球を再開。実戦登板で1軍復帰への確認作業を終えた。

佐々岡監督はエースの1軍昇格時期について「明日になってみないと分からない」と話すにとどめた。ただ、大瀬良は、その準備は「できました」と言い切り「行く気。勝手に思っています」ときっぱり。その表情が何より全快を証明している。順調にいけば、18日巨人戦にもエースが表舞台に帰ってくる。【前原淳】

▽広島菊地原2軍投手コーチ いろんな球をしっかり投げきれるまで来ている。ベースカバーも打席でのバントも問題ない。球数の75球も予定通り。問題ない状況だと思います。

広島ニュース一覧はこちら―>