東北大が再始動した。宮城教育大に3-1で勝利。春季リーグ戦の初陣を白星で飾った。

チームは昨年12月末から約5カ月間の活動自粛。個人練習を中心に汗を流してきた。太田圭亮外野手(4年=横手)が勝ち越し適時打をマーク。先発したエース右腕、谷口直哉(4年=下妻一)が9回1失点(自責0)でリーグ初完投を飾った。

主将の一振りが試合を決めた。0-1の6回無死二、三塁の場面。太田が左打席に入った。「劣勢だったので、自分が1本打って決めようと思った」。カウント1-1から外角直球を強振。左中間へ2点適時三塁打を放った。「主将として気持ちで打った」。塁上では左拳を突き上げ、喜びを爆発させた。

投げては谷口が抜群の制球力でテンポ良く打たせて取った。130キロ台後半の直球を軸に、カットボールとスライダーを織り交ぜた。9回を4安打1四球1失点(自責0)。92球の完投劇を完結させた。「打者との対戦は久しぶりだったけど、自分の投球ができた」。活動休止期間中は下半身を徹底的に強化。大学施設が利用できないため、河川敷でキャッチボールを行うなど、限られた中で調整を続けて結果につなげた。

昨秋は21年ぶりのAクラス入り。今春はまん延防止等重点措置の影響で、11日までの試合辞退を余儀なくされた。太田主将は「不安な部分もあったけど、みんなの『勝つんだ』という気持ちが強かった。良いスタートが切れた」。昨秋リーグ戦5勝を上回る7勝を目標に一戦必勝で戦う。【佐藤究】