慶大が立大に2連勝で、優勝へ大きく前進した。1-1の8回、正木智也内野手(4年=慶応)が左中間へ決勝3ランを放った。優勝の可能性は慶大、立大、明大の3校に残るが、自力があるのは首位慶大のみ。次週の立大対明大の結果次第で、早ければ23日、試合のない慶大の優勝が決まる。明大は早大に競り勝ち、優勝の望みをつないだ。

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ダイヤモンドを回り、ベンチに戻った慶大・正木智也内野手(4年=慶応)の目には、歓喜する仲間の姿が飛び込んできた。「データや打撃投手で助けてくれた人たちが喜んでくれて。自分も、すごくうれしかったです」と大はしゃぎだった。

1-1の8回2死一、二塁で、正木は立大・宮の143キロを左中間席へたたき込んだ。ここまで防御率0・00の左腕の球が、甘く入ったのを逃さなかった。「すごくいい投手。相手を大きくするのではなく、自分のスイングをしよう」と自らの打撃に徹した。ネクストで待っている際、堀井哲也監督(59)からは短く「任せたぞ」と声を掛けられた。「1対1の勝負に入り込めました」。チーム全員の期待に応え、4番の重責を果たした。

自己最多を更新する1シーズン3号(通算9号)。右の大砲として、今秋ドラフト候補に挙がる。「3本は初めて。4年になってからなので、1年の時から、だんだん成長できていると感じます。チームが勝つために(目標の1シーズン)5本塁打できたら」と、さらに上を目指す。試合がない次週にも優勝が決まる可能性があるが、最終週の早慶戦でも大暴れする。【古川真弥】

▽立大・溝口智成監督(自力優勝の可能性が消えて)「ここまでトップを走ってきただけに悔しすぎる結果です。慶大には10連敗。その差を埋められない。監督の力のなさだと思います」

▽立大・宮海土投手(コロナ禍で応援団を欠く中、今季初失点して敗れ)「応援団の分も、ベンチやスタンドに入れなかった人のためにもやろうと。期待にこたえられず悔しいです」