朗希の次はオレの出番だ-。高卒2年目の阪神西純矢投手(19)が19日のヤクルト戦(甲子園)でプロ初先発する。

17日に甲子園で行われた投手指名練習に参加。「高校四天王」としてしのぎを削ったロッテ佐々木朗が前日16日にデビュー戦を飾った。球団では12年岩本輝以来、史上4人目の10代投手の初登板初勝利を目指す。

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首位を走る矢野阪神で、期待のニューフェースがついに1軍デビューを果たす。西純がこの日行われた投手指名練習に参加。19年ドラフト1位右腕が19日ヤクルト戦(甲子園)でデビューを飾ることになった。「初めての1軍での登板なので緊張はすると思いますが、その中でしっかり自分の投球ができるように頑張ります」。阪神の10代投手が初登板で初勝利を挙げれば、12年岩本輝以来、4人目の快挙となる。

岡山・創志学園高では闘志あふれる投球で甲子園を沸かせ、ロッテ佐々木朗、ヤクルト奥川、同僚の及川とともに「高校四天王」と呼ばれた。同じ高卒2年目の宮城は今季4勝を挙げ、防御率トップに位置する。未来の球界を担う01年組。特に前日16日にプロ初登板を飾ったロッテ佐々木朗は発奮材料だった。「テレビで見ていてすごく刺激になっているので、次は自分の番だという気持ちが強い」と意気込んだ。

矢野監督のもと、英才教育を施され、甲子園のマウンドに立つ。高卒2年目の今季は初めて1軍でキャンプを過ごし、今季初実戦の紅白戦と対外試合初戦でともに「開幕投手」に指名された。ウエスタン・リーグでは、6試合で2勝1敗。規定投球回にも到達し、防御率3・44は斎藤に次ぐチーム2位だ。「コントロールの部分はしっかり意識してやってきましたし、先発投手としてゲームを作ることは意識しています。昨年は5回までに交代することが多かったのですが、今年は6回、7回と投げることができているのでそういった部分は重点的に意識して取り組んできました」と準備オッケーだ。

ガンケルが故障で出場選手登録を抹消。1枠空く状況で先発ローテーションの谷間にチャンスが巡ってきた。金村投手コーチは「監督の期待の表れだと思う。それを意気に感じてほしいなと思います」と若さあふれる投球を楽しみにした。デビュー戦前日となる18日のヤクルト戦は西勇が先発する。この日は遠戚にあたる右腕とキャッチボールし、ダッシュで汗を流した。「初登板が巡ってきて良かったな」と励ましの言葉をもらっていたことも明かした。西勇からバトンをもらい、将来のエース候補が甲子園で思い切り腕を振る。【林亮佑】

▼阪神の高卒2年目右腕・西純が19日のヤクルト戦で1軍デビューする。19歳8カ月の西純が10代で勝利投手になれば、阪神では18年の才木浩人(2年目)以来。初登板初勝利なら18年の高橋遥人(新人)以来だ。さらに、10代で初登板初勝利となると、51年西村(伊沢)修(2年目)、55年西村一孔(新人)、12年岩本輝(2年目)に続き、2リーグ分立後、球団では4人目となる。

◆高校四天王 星稜・奥川恭伸(ヤクルト)、大船渡・佐々木朗希(ロッテ)、創志学園・西純矢、横浜・及川雅貴(ともに阪神)の本格派投手4人の呼称。甲子園に3度出場した左腕及川、19年夏に準優勝した奥川、高校球界最高の163キロをマークした佐々木朗、力強いガッツポーズも話題になった西純と逸材ぞろい。19年ドラフトでは3選手が1位、及川も阪神の3位とそろって上位指名された。同年代にはほかにもオリックス1位の宮城大弥、野手では中日1位の石川昂弥、DeNA1位森敬斗ら将来を嘱望される選手が多い。

◆西純矢(にし・じゅんや)2001年(平13)9月13日生まれ、広島県出身。小学2年から軟式野球を始め中3夏に全国優勝。創志学園2年夏の甲子園、創成館との1回戦で16奪三振完封。U18日本代表。19年ドラフト1位で阪神に入団。1軍登板はなく、今季は2軍戦で6試合に登板、2勝1敗、防御率3・44。184センチ、86キロ。右投げ右打ち。