慶大が19年秋以来3季ぶり38回目の優勝を果たした。今週は試合がなかったが、優勝の可能性を残していた立大が明大に敗れたため、優勝が決まった。堀井哲也監督(59)は就任1年目の昨年は2位、2位とあと1歩が続いたが、3季目で栄冠を手にした。

東大は法大に完封勝ちし、引き分けを挟み17年秋から続いた連敗を64で止めた。

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朗報は、オープン戦後の反省ミーティング中に届いた。堀井監督は「非常に光栄。選手が悔しさを乗り越えてくれた」と目を細めた。2位が続いた。特に昨秋は、早大2回戦で優勝目前の9回2死から逆転2ランを打たれ、涙をのんだ。

再スタートは、キャプテンの直談判から始まった。敗戦翌日、神宮球場近くの喫茶店で堀井監督と福井章吾主将(4年=大阪桐蔭)が向き合った。どうすれば勝てるか? 4時間近く腹を割った。福井は「慶応大学は練習量が足りません」と訴えた。レギュラーでも半日練習で、後は自主性に任せるのが慶大スタイル。「練習量を増やすデメリットも分かってました。でも、やらないと強くなれない」と、午前、午後の2部練習とした。反発もあった。だが「目指すのは勝つことじゃないのか」とチームに問いかけ、束ねていった。

開幕黒星からの7連勝で頂点に立った。今季の強さを、堀井監督は「バッテリーも含めた守りと、つなぐ打線が機能したこと」とみる。練習量アップが投手陣のスタミナや打撃のしぶとさを生んだ。天皇杯を手にした上で、最終週の早大戦を迎える。「早慶戦で勝って終わることはぶれません」と福井。昨秋の雪辱も果たす。【古川真弥】