日本ハム五十幡亮汰外野手(22)が満点セ界デビューを果たした。ヤクルト戦(神宮)に「1番中堅」でフル出場。3回に左越え二塁打を放って先制点をチャンスメークし、7回は中前打で出塁して4点目のホームを踏むなど5打数2安打2得点と勝利に貢献した。球団のルーキーで交流戦開幕戦での複数安打は13年大谷以来の快挙。東都大学リーグで主戦場だった思い出の地で躍動した。

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五十幡は慣れ親しんだ神宮で目いっぱいグラウンドを駆け回った。「やっぱり大学4年間やってきたので。経験している分、少しリラックスして試合に入れた」と、思い切りの良さが出たのは3回だ。2ボールからの3球目。「真っすぐが来たら、しっかり強く振っていこうと思っていた」と、狙っていた145キロ直球を捉えて左越え二塁打。チャンスメークが実って、王柏融の先制打で生還した。

貴重な追加点にも五十幡が絡んだ。7回1死一塁で中前へポトリと落ちる安打で好機を広げた。3点目のお膳立てとともに、三進後は西川の犠飛で4点目のホームに生還した。「自分は塁に出ることが仕事だと思うので」と、要所で役目を果たした超俊足ルーキーは今季2度目の複数安打を記録。交流戦開幕戦で2安打以上を記録した球団の新人選手では、13年大谷以来の躍動ぶりだった。

中堅守備でも安定感が光る。最終9回、川端の左中間へ伸びていくライナーを難なく捕球した。「1歩目を大切にしようと心掛けている」と、瞬時の的確な反応で確実にアウトを奪い取った。栗山監督も「あのセンターランナーを簡単に追い付いてくれるのは、やっぱすごくでかい。スピードを使える選手のプレー」と絶賛。日を追うごとに攻守での存在感は、どんどん大きくなっている。

恩返しの活躍にもなった。11年前の10年12月。中学でサニブラウンに陸上100メートル、200メートルで勝利する前の小学生時代にヤクルトジュニアの一員としてNPB12球団ジュニアトーナメントに出場。決勝で惜しくも敗れたが、準優勝メンバーだ。「お世話になっている球団ですし、活躍して“しっかりやってるぞ”と。ヤクルトさんから脅威になれるようにアピールしてきたい」。今カードはあと2試合ある。1番中堅五十幡の破壊力は、ヤクルトだけでなく、セ界にアピールできた。【木下大輔】

▼日本ハム五十幡が交流戦の開幕戦となるヤクルト戦に1番中堅で先発出場。5打数2安打を記録した。日本ハムの新人で交流戦開幕戦でスタメン起用されたのは過去に13年の大谷(登録は投手)、15年の浅間、17年の石井と3人いるが、安打を放っているのは大谷だけ。大谷は5月14日中日戦で6番右翼でスタメン出場。4打数2安打の活躍だった。この年、大谷は交流戦に野手で12試合に出場し、35打数13安打で打率3割7分1厘、投手で3試合に登板し、1勝負けなし。

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