現役最年長の44歳、中日福留孝介外野手が4打数4安打の大活躍で勝利に貢献した。3番DHでスタメン出場し、4-4同点の8回に決勝点を呼ぶ右前打を放ったほか、適時打2本をマーク。44歳1カ月での4安打は、谷繁元信に次ぐ球界2人目の高齢記録になった。昨オフ阪神を戦力外になったが古巣復帰で復活。与田竜の働くおじさんが、交流戦首位返り咲きを演出し、健在を示した。

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打つわ、打つわ、打つわ、打つわ。北の大地で、現役最年長44歳の福留がまぶしい輝きを放った。「まさか4本出るとは思わなかった。4本打てたことをプラスにまたやっていきたい」。古巣復帰後初の猛打賞が4の4の“4の字固め”。4月21日DeNA戦以来、28試合ぶりに任された「3番」で期待に応えたベテランは、照れ笑いを浮かべた。

福留劇場は4打席とも見せ場満載だった。まずは1回1死三塁で、バーヘイゲンから先制の左前適時打。4回の第2打席は右前打を放ち、続くビシエドの遊ゴロでは二塁へ豪快にスライディングし、併殺阻止を試みた。1点リードの6回無死三塁の第3打席は、右中間を破る適時二塁打で追加点。まだ終わらない。同点に追いつかれて迎えた8回先頭の第4打席は、3番手B・ロドリゲスから4安打目の右前打。代走高松の足も絡めて、ビシエドの決勝打を演出した。

44歳以上で1試合4安打を放ったのは、15年の中日谷繁以来、球界2人目の高齢記録。「少しでもそういったこと(記録)もできればいい。いい1日になったのは確か」とうなずいた。昨オフ阪神を戦力外になったが古巣で復活。存在感をしっかりを示し、ほおを緩めた。

札幌ドームには思い出が詰まる。20年前の01年6月26日、同球場のこけら落としとなった巨人-中日戦でダレル・メイから先頭打者弾。球場右翼席には第1号を記念するプレートもある。「懐かしい感じもある。ここでこうやって野球ができているので感謝したい」。プロ23年目のベテランは、感慨深げに言った。

4安打の固め打ちは阪神時代の18年以来3年ぶりで、中日のユニホームでは07年以来14年ぶり。「自分のできることを1日1日、目いっぱいやる。手を抜けばどんどん下がる。準備を常に怠らないようにしている。今日はいい疲れで済んだ」。ストイックなベテランの奮闘で、チームは交流戦首位に。年を重ねた分だけ、熟練の技と勝負勘が光った。【伊東大介】

▽中日与田監督(福留について)「年齢を感じさせない。素晴らしいとしか言いようがない。打席でのスイング、気迫がチームにいい影響を与えている」

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