首位阪神が自慢のリリーフ陣が痛打され、関西ダービー第1ラウンドを落とした。「日本生命セ・パ交流戦」のオリックス戦で2点ビハインドを追いついたが、8回に岩崎と馬場が3失点。岩貞が登板過多を考慮されてベンチを外れた試合で、不安を残す敗戦になった。引き分けた2位巨人との差は4ゲーム。第2戦は無傷5勝の難敵宮城が先発してくるが、先発秋山が踏ん張り救援陣を助けたい。

虎がオセロ地獄から抜け出せない。セ・リーグ首位を走る阪神が、また白星を並べられなかった。オリックスとの関西ダービー第1ラウンドは、2点ビハインドを追い付いて迎えた8回に悪夢が待っていた。この回からマウンドに上がったセットアッパー岩崎がつかまった。1死一塁、杉本のゴロで二塁封殺を狙った遊撃中野が悪送球。2死一、二塁に傷口を広げると、6番安達に初球スライダーを中前にポトリと落とされ、勝ち越しを許した。負の連鎖は止まらない。その後岩崎を救援した馬場も2点適時打を浴び、この回3失点で勝敗が決してしまった。

攻守のミスが分岐点になった。初回は先頭近本が二塁打を放つも、2番中野が送りバント失敗から空振り三振。絶好の先制機をつぶした。矢野監督は「初回のバントと8回のエラー。今日はどっちも拓夢(中野)になっちゃったけど、あっこは流れを変えたかなというのはある。痛い1敗になったけど、こっからどうするか」と振り返った。

連敗はしないが、連勝もできない。阪神は5月14日の巨人戦(甲子園)で引き分けを挟んで4連勝としたが、それ以降は白星と黒星がオセロのように並ぶ。交流戦に突入してからも、その流れを変えられない。これで○●が交互に並んですでに12試合目だ。貯金15を積み上げる首位チームにとっては珍現象とも言える。

「勝利の方程式」を担う2人の左腕が心配だ。前回登板の30日西武戦で3失点した岩貞は、疲労を考慮して初めてベンチ外。リーグ最多タイ17ホールドを誇る岩崎は5月25日のロッテ戦に続き、今季最多タイの3失点で2敗目を喫した。矢野監督は「引きずらずに切り替えてやってくれたら」と不変の信頼を口にした。

開幕から快進撃を支える岩岩コンビが躍動すれば、白星が積み重なる。もちろん、ミス撲滅も勝利に欠かせない。2日のオリックスは、無傷5勝の宮城が先発してくる。引き分けた2位巨人が4ゲーム差でジワリ接近。先発秋山が救援陣の負担も減らし、スカッと快勝したい。【桝井聡】