広島野村祐輔投手(31)が「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦に先発し、5回途中8失点で4敗目を喫した。序盤から失点を重ね、同点の5回に崩れた。責任投球回を投げきれず、2番手菊池保もつかまって野村は昨年10月8日以来の8失点となった。チームは引き分けを挟み4連敗。今季ワーストとなる借金9となった。

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100球の壁も、5回の壁も乗り越えられなかった。立ち上がりから両サイドを突いてきた野村が、5回は根負けした。同点で迎えた5回2死満塁。中村を3球で追い込みながら、4球ファウルで粘られ、フルカウントからの10球目を右翼前への2点適時打とされた。続く甲斐には四球を与え、再び満塁としたところで降板となった。4回2/3を99球。あとわずかだった100球、責任投球回の壁にまたもぶつかった。

「5回2アウトから、あと1つアウトを取ればいいというところで打たれてしまって悔しい。同点に追いついてもらって、ここからというところでチームに申し訳ないです」。

試合後、野村は敗戦の責任を背負った。2回に先制を許すと、3回には柳田に2ランを被弾。そして、5回に崩れた。降板後、代わった菊池保が打たれた。この回5失点で試合の大勢は決まった。屈辱の8失点。5回未満での降板は今季4試合目となった。今季最多投球数は100球。佐々岡監督は「そこの壁。100球近くなって、打順も3巡目。そこの壁がずっとなかなか破れない。1回でも長く投げてほしい中で、切れ、コントロールで勝負する投手が甘く入ると、打たれてしまう」とうなだれた。

入団1年目からすべて先発として登板し、昨年まで9年連続で勝ち星を挙げてきた。今季は開幕から登板7試合で勝ち星なしと自身最長のトンネルだ。この日の8失点で防御率は6・12まで跳ね上がった。指揮官は「この現状では厳しいかな思います」と、今季3度目の2軍降格を示唆した。

チームも引き分けを挟み4連敗で、借金は今季最多9にまで膨らんだ。5月19日の九里を最後に、先発投手に勝ち星が付いていない。交流戦2勝はいずれも中継ぎの森浦がマークしたもの。先発を中心とした投手陣がまずは踏ん張らなければ、佐々岡広島が目指す「守り勝つ野球」も実現できない。【前原淳】