『ナオのパンツは、いいパンツ~♪強いぞ~強いぞ~♪』。日本ハム上沢直之投手(27)が、18日ソフトバンク10回戦(ペイペイドーム)で3安打1失点と快投し、今季チーム63試合目で初の完投勝利。自身の連勝を6に伸ばした。妻からもらった“勝負パンツ”を履き始めた4月10日オリックス戦(京セラドーム大阪)から、10試合連続で負けなし。チームは2連勝で、リーグ戦再開を白星で飾った。

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最強のパンツを手に入れた上沢には、もう、怖いものなどない。開幕戦、交流戦初戦、そしてリーグ戦再開の1発目…。今季3度目の節目となる大事な試合で先発を任されたエースは、頼もしかった。散発3安打1失点で、今季チーム第1号となる完投勝利。自身にとっても昨季9月1日楽天戦以来の完投勝利に「自分で試合を締めくくれるのは、やっぱりうれしい。皆とマウンドでハイタッチが出来るのはいいなと思います」と、爽やかに笑った。

登板日の、決めごとがある。妻からプレゼントされた大理石柄の“勝負パンツ”を履いて球場入りするようになった4月10日以降、なんと、2カ月も負け知らず。あまりの効果に「登板日以外は絶対に履かないようにしている」という、大切な大切なパンツ。10試合連続で負けがなく、自身6連勝と破竹の勢いだ。

この日は、今季途中に改良したチェンジアップを効果的に交えて、相手打線を翻弄(ほんろう)した。直球の握りで投げる「ただ遅いだけ」の変化球だ。「右(打者)にも左(打者)にもけっこう投げて、序盤は有効な球だった」と納得顔。7回2死三塁からボークで1点を失った場面は「ちょっと気持ちが切れかけた」と言うが、すぐに切り替え127球を投げきった。

「もう何も言うことはない」とエースへの信頼を口にした栗山監督は「今日に関しては、代えたらやられるかなと思った」と、マウンドを最後まで上沢に託し、リーグ戦再開後、最初の試合を白星で飾った。開幕戦で5回持たずにKOされ「出だしにチームに迷惑をかけてしまった」と反省していた上沢も、この日の快投で、少しは気持ちが晴れたはずだ。「僕の投げる試合は、ある程度計算してもらえるように頑張りたい」。背番号15が最下位からの逆襲を、力強く先導する。【中島宙恵】