あぁ、もったいない…。阪神のルーキー伊藤将司投手(25)が7回6安打3失点で4敗目を喫した。1-1と同点の4回、7番大城に変化球を痛打されて右越えソロを浴びると、6回には5番坂本に内角寄りの初球変化球を左翼席まで運ばれて突き放された。いずれも2死から浴びたソロアーチ。両膝に手をついて坂本の放物線を見届けた左腕は「どちらも2死からだったので、もったいなかったですし、悔やまれる1球」と唇をかんだ。

新人ながらすでに4勝を挙げる即戦力だが、課題も浮かび上がる。これで5月8日DeNA戦から6戦連続のアーチを許す。この試合では自身初となる複数アーチ被弾で、開幕から登板9試合で7本塁打を浴びている。1点を追う5回には、無死二塁で迎えた2打席目に送りバントを失敗。打席のミスをマウンドでも引きずってしまったかのように、6回坂本のアーチにつながった。

新人離れした実力を評価する矢野監督も勝負どころの重要性を説く。「(本塁打は)中身がもったいないよね。2死から。バント失敗とか、ツーアウト取って、あそこで3者凡退で来れば流れがこっちに来るというところでのホームラン。そこは勝負際というか、そこを乗り越えないと勝てない」。プロで勝ち抜くための課題を挙げた。

チームは今季2度目の8連勝ならず小休止となった。ただ、佐藤輝がセ界制覇弾となる17号アーチ。2番打者に定着しつつある中野は2安打を放ち、規定打席にも到達。依然として輝きを放つ。伊藤将は「しっかり反省して、次回の登板ではそういったことがないように投げていきたい」。新人トリオの活躍は虎党の心を躍らせる。先発ローテただ1人の左腕にかかる期待は大きい。【桝井聡】

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