高卒2年目、DeNA森敬斗内野手(19)が走攻守に大暴れした。前日に1軍昇格したばかりだが、2番遊撃で今季初スタメン。真骨頂は9回に訪れた。2死からプロ初のマルチ安打となる右前打で出塁。守護神R・マルティネスのチェンジアップを捉えた。続く佐野恵太の2球目にスタートを切ると、プロ初盗塁を決めた。佐野が右前打を放つと、快足を飛ばして本塁にすべり込んだ。アウトになれば試合終了という状況で決めた盗塁が生きた。

森劇場はまだ続く。9回裏は1死満塁、サヨナラ負けのピンチを迎えた。木下拓の打球は遊撃ゴロ。これを捕球し、素早く本塁に送球。捕手伊藤光から一塁に転送され、併殺で試合終了となった。強肩が生きた。

森は「スタメンとして緊張はありましたがファームでやってきたことをしっかり発揮しようと思って試合に臨みました! 試合中も仁志ファーム監督をはじめコーチの方々に言われたことを思い出し自分のやれることをやろうと思いやりました。それがいい結果つながってうれしいです」とコメントした。

3回に前段があった。打撃では二塁前へのゴロに全力疾走。俊足を生かして内野安打としていた。これが今季初安打。佐野の打席で二盗に失敗していたが、1軍で初めて盗塁を試みた。失敗を9回に生かした。守備では高橋周平の三遊間の深いゴロをさばいて一塁へ矢のような送球を見せていた。

三浦監督は9回2死からの森の盗塁について「常に狙っていけと話している。昨日抑えられた投手からヒットを打って、ああいう場面でセーフにできたのは森の武器だと思う。3回に失敗して、どうしようというマインドにならなかったのが大きい。思い切ってできたのは大きな財産」と高く評価した。9回裏の守備については「しっかりホームゲッツーを取れた。森の肩が強いのは知っている。助かりますね」と話した。

2軍から昇格したばかりで、1軍最年少の森が活躍した。「チームにとってもいい刺激になる。他の選手にとっても」と三浦監督。7回終了時の1-5から同点に持ち込んだだけに「9回2死走者なしから森が出て、佐野もよく打った。よく追いついた。あきらめなかった結果だと思う。もちろん勝って(甲子園に)行きたかったが、負けなかったというのは明日につなげていく」と話した。12日から前半最後の阪神3連戦に臨む。【斎藤直樹】

 

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