金メダル侍で後半戦スタートダッシュや! 阪神矢野燿大監督(52)が9日、後半戦初戦に間に合わないスアレスの代役守護神として、東京五輪に出場した岩崎優投手(30)を指名した。梅野隆太郎捕手(30)、青柳晃洋投手(27)も激戦の疲れも見せず、後半戦開幕から加わる見通しだ。悲願の金メダル獲得に貢献した侍トリオが、チームを再び加速させる。

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日本球界悲願の金メダルをつかんだ3人は、休む間もなく今度は16年ぶりのリーグ優勝へフル回転する。楽天戦は雨天中止。遠征先の仙台で、矢野監督は「青柳は先発やから自分の調整をすればいいけど、優(岩崎)は後半戦の頭からもちろん入ってもらうし、リュウ(梅野)だって後半のスタートからこっちに来る予定にしている」と話した。岩崎、梅野は後半戦開幕の13日広島戦(京セラドーム大阪)からベンチ入り。青柳も先発ローテーションの一角として、計算に入れている。

国際舞台で「神救援」を見せた岩崎に、さっそく大きな役割が与えられる。守護神スアレスが一時帰国、自主隔離を経てこの日チームに合流したばかりで、後半戦初戦に間に合わない。指揮官は「優が一番後ろで投げるのが、一番スムーズかなと思っている」と代役守護神に指名した。岩崎は東京五輪で3試合に登板。決勝の米国戦では2点リードの8回無死一塁で登板し、3番からの主軸に対し、アウト3つを奪い無失点。矢野監督も「期待に応えて、たいしたもの」とたたえていた。

昨年は抑えを経験し2セーブを記録。20年9月3日ヤクルト戦(甲子園)では、スアレスの5連投回避のため、1点リードの9回に登板。安打と四球で2死一、二塁のピンチを作りながらも逃げ切りプロ初セーブ。その時のお立ち台では「緊張したので普段と同じように8回表だと思って投げようと思ったけど9回でした」と笑いを誘っている。

この中断期間では、リリーフ陣の再整備に取り組んできた。前半戦不調だった岩貞が復調してきたが、期待した小林、岩田稔が2軍降格。配置転換したアルカンタラはまだ実戦で試せず、藤浪、及川らで厚みを出すしかない。矢野監督も「その(9回)前も固まっているわけじゃない」と、陣容はそろっていないが、スアレスが戻るまでは9回岩崎で白星を重ねる。【石橋隆雄】

◆阪神の中継ぎ事情 前半戦首位を支えたのは8回岩崎、9回スアレスの必勝リレーだった。7回は小林や馬場らが務めた。前半戦は不調に苦しんだ岩貞がエキシビションマッチ4試合連続無失点中と調子を取り戻してきているのは大きなプラス。矢野監督は「右でも左でもいいので出てきて欲しい」と話し、剛球右腕のアルカンタラを後半戦から中継ぎに配置転換。先発枠を争った及川がブルペンに回り、藤浪も可能性がある。馬場、斎藤に続く存在として尾仲、湯浅、浜地、小野、エドワーズらを、エキシビションマッチで試した。石井大、小林、岩田稔らの復調も待たれる。

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