西武木村文紀外野手(32)、佐藤龍世内野手(24)と、日本ハム平沼翔太内野手(23)、公文克彦投手(29)による2対2のトレードが成立したことを両球団が12日、発表した。

西武は左腕不足が課題だった。16年オフに巨人から移籍した左腕・公文は、昨季183試合連続となる無敗記録を達成。負けない左腕が補強ポイントと合致した。さらに遊撃のバックアップが山田のみと、手薄な状況が続いていた。遊撃に加え、三塁と二塁も幅広く守れる平沼は、打力がつけばレギュラーも狙える逸材。5位から上位浮上へ、巻き返しを目指す。

日本ハムは打力強化が必要不可欠。経験豊富な木村は、若手の台頭もあり今季は出場が20試合にとどまっていた。プロ3年目で伸びしろ十分の佐藤も今季は出場11試合。いずれもパンチ力のある打撃を持ちながら、今季は出場機会が少なかった。最下位から脱却を狙うチームにとって2人は必要戦力となりそうだ。

両チームの思惑が一致。後半戦再開直前に、シーズン途中では異例の同一リーグ同士の交換トレードが実現した。

 

コメントは以下の通り。

木村 ライオンズに入団して印象に残っていることは、投手として初勝利を挙げた時や野手になって初めて(勝ち越し)満塁ホームラン(2015年6月24日ソフトバンク戦)を打ったことなど、挙げきれません。ライオンズは中村さん、栗山さんをはじめ、後輩たちも本当に明るくて、とても野球をやりやすい環境だったと思っています。

そしてライオンズファンの皆さんには、自分の調子がいい時も悪い時も本当に大きな応援をいただきました。プレーをしながら常にそれを感じていました。本当に熱いファンの皆さまだったと感じています。ライオンズでの15年間でやってきたことをしっかり新天地で結果として出すことが、ライオンズに対しての恩返しになるとも思っています。また一からスタートする気持ちで、これから頑張っていきます。

 

佐藤 ライオンズでは全てが思い出です。良い先輩、良いスタッフに出会えたことが自分の野球人生で、とてもプラスになる3年間でした。この仲間と野球ができたこと、それに尽きます。最近では、エキシビションマッチで自分が二塁にいて、森さんがホームランを打ってくれた試合が一番印象に残っています。すごくうれしかったです。

トレードは不安が大きいですが、プレッシャーに負けず、1軍で活躍している姿を多くの方に見せられたらと思いますし、地元ということで、恩返しもしていきたいです。(ファンの方へ)ライオンズを離れることは寂しいですが、これからも応援していただけたらうれしいです。まだ気持ちの整理がついていないですが、北海道日本ハムファイターズで活躍していい報告ができるよう頑張ります。

 

公文 ジャイアンツから2017年に移籍して、温かく迎え入れてくださったファイターズには感謝の気持ちでいっぱいです。これからはライオンズの一員として精いっぱいプレーをして、ファイターズと対戦できることを楽しみにしています。

 

平沼 ファイターズでの約6年間、温かく応援していただき本当にありがとうございました。ファンの皆様には感謝でいっぱいです。入団してから得たものは、僕の財産です。新天地でも全力で頑張ります。本当に、ありがとうございました。

 

◆木村文紀(きむら・ふみかず)1988年(昭63)9月13日、東京都生まれ。埼玉栄では4番でエース。06年高校生ドラフト1巡目で西武入団。07年8月31日楽天戦で初登板。09年12月に登録名を文和から変更。11年に初勝利も、12年9月から外野手に転向。19年は自己最多130試合に出場し、リーグ連覇に貢献。今季推定年俸5000万円。183センチ、86キロ。右投げ右打ち。

◆佐藤龍世(さとう・りゅうせい)1997年(平9)1月15日、北海道・厚岸町生まれ。北海では甲子園出場なし。富士大では3年春に首位打者、本塁打王、同年秋に打点王。18年ドラフト7位で西武入団。19年3月29日ソフトバンク戦でプロ初出場。今季推定年俸640万円。174センチ、88キロ。右投げ右打ち。

 

◆平沼翔太(ひらぬま・しょうた)1997年(平9)8月16日生まれ、福井市出身。敦賀気比では春夏3度の甲子園に出場。3年春にはチームを北陸勢初の優勝に導いた。15年ドラフト4位で日本ハムに入団。17年4月20日オリックス戦でプロ初出場。19年7月26日西武戦で初本塁打。今季推定年俸1400万円。179センチ、80キロ。右投げ左打ち。

◆公文克彦(くもん・かつひこ)1992年(平4)3月4日生まれ、高知県出身。高知-大阪ガスを経て、12年ドラフト4位で巨人。13年9月25日ヤクルト戦で初登板。16年オフにトレードで日本ハム移籍。初登板から20年7月まで続けた182試合連続負けなしはプロ野球記録。今季推定年俸5000万円。173センチ、83キロ。左投げ左打ち。