金メダル侍がど根性弾で後半戦白星発進に導いた。日本代表として東京五輪に出場していたソフトバンク柳田悠岐外野手(32)が、シーズン再開の初戦でリーグトップの23号2ラン。「オリンピックでホームランを打ってなかったので、ストックがたまってました」という、球宴や日本代表では出なかった約1カ月ぶりのアーチで、4位からの逆転優勝を狙うチームを勢いづけた。

ヒヤリとした。初回1死一塁の第1打席。3球目をファウルした打球が右膝を直撃した。柳田はしばらく立ち上がることができず、苦悶(くもん)の表情を浮かべながら両肩を支えられ、治療のためにベンチへ下がった。

それでも数分後、痛みをこらえながら打席に戻った。そして日本ハム加藤の5球目、外角直球をとらえた打球は左翼テラス席に飛び込む先制2ラン。時折、顔をゆがめながらダイヤモンドを1周した。「もう野球できないと思ったんですけど、ちょっと時間がたったらできたので、根性でやりました。痛いけど大丈夫です」。主砲の驚きの1発が、貴重な決勝弾になった。

この日はともに日本代表で戦った栗原も4番に入り2安打。甲斐は1安打を放ち、完封リレーの投手陣をリードした。柳田は「1戦1戦、勝ちに行くつもりでやらないといけない。1球1球の重みはさらに感じるようになった。シーズンは長いので難しいんですけど、大事にやらないといけない。そういう積み重ねが長いペナントで勝てるというところにつながると思う。そういうところを考えさせられた」。大舞台での経験も胸に、今度はチームの逆転優勝に向けて戦う。【山本大地】

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